ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年によんだ、私の心に残る小説10選

いつかブログを更新しようと思い続けたままずるずると年末が来てしまった。 変わらず本は読み続ける一年だったので、いくつかブログで感想を書いたものもあればそうでないものもあるけれど今年の総括として今年のお気に入りの小説をまとめておきたい。 あま…

『あなたはここで、息ができるの?』

『あなたはここで、息ができるの?』 竹宮ゆゆこ あなたはここで、息ができるの? posted with ヨメレバ 竹宮 ゆゆこ 新潮社 2018-10-22 Amazon Kindle Twitterでこの作品のタイトルを見かけた時から気になっていた、竹宮ゆゆこさんの作品。 竹宮ゆゆこさんの…

『七月のテロメアが尽きるまで』

『七月のテロメアが尽きるまで』 天沢夏月 九月八月と続き、天沢夏月さんの「月」が入った一連の作品ということ、そしてタイトルの「テロメア」という単語に惹かれて。 まるで回数券のように細胞分裂を繰り返す度に短くなっていき、細胞の寿命を表すというテ…

『地下にうごめく星』

『地下にうごめく星』 渡辺優 shiyunn.hatenablog.com 以前、雰囲気に惹かれて手に取った『自由なサメと人間たちの夢』が私の中でスマッシュヒットで、今回の渡辺優さんの地下アイドルを題材にした作品もたまらず購入。 パワフルな『ラメルノエリキサ』や希…

『純真を歌え、トラヴィアータ』

『純真を歌え、トラヴィアータ』 古宮九時 オペラを題材にした小説。 主人公は、大きな失敗がもとでプロを志しながらも歌えなくなってしまった少女。 音大を辞め、普通大学へ入学し直した彼女はそこでオペラの自主公演を行うサークルと出会う。 純粋に楽しい…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』 暁佳奈 京都アニメーションによるアニメ化も評判だった『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。 今回私が手に取ったのは、その原作小説の外伝にあたる作品。 一部、アニメ化されたお話と重なる部分もあるのですが…

『あの日から君と、クラゲの骨を探している。』

『あの日から君と、クラゲの骨を探している。』 古矢永塔子 クラゲ好きの私のセンサーに、今作品のタイトルが引っかかったので。 凄惨な過去のトラウマから、ありがちな「読後にタイトルに込められた願いに云々」というような惹句は信用しないことにしている…

『Hello,Hello and Hello』

『Hello,Hello and Hello』 葉月文 第24回電撃小説大賞、金賞受賞作品。 タイトルやイラスト含め、あらすじ等全体の雰囲気に惹かれたので。 ※以下、内容に触れています。未読の方、ネタバレを避けたい方はご注意ください。 あらすじ 「初めまして」の言葉…

『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』

『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』 浅原ナオト Twitterで見かけて気になっていたLGBTを取り扱った作品。 主人公は将来は血の繋がった家族が欲しいと願いながらも、男性が恋愛対象であるというどうしようもない現実とのギャップに思い悩む男子生…

『ラメルノエリキサ』

『ラメルノエリキサ』 渡辺優 昨年の読書生活の中で、もっとも運命的な出会いを果たしたうちの一冊、『自由なサメと人間たちの夢』。 shiyunn.hatenablog.com 今回はその著者、渡辺優さんのデビュー作である『ラメルノエリキサ』。 なんとなく口の中で転がし…

『本のエンドロール』

『本のエンドロール』 安藤祐介 奥付は、本のエンドロールだ。 (略) 作者、出版社の編集者や営業・広報担当、印刷会社や製本会社の人々、取次の人々。多くの努力の結晶が書店に辿り着き、こうして並んでいる。 p.138-139 読書好きが高じてこうして読んだ本…

『青くて痛くて脆い』

『青くて痛くて脆い』 住野よる あるひとりの男子大学生を主人公とした物語。 今までそうしてきたように他人と距離を置いて大学生活を送っていくつもりが、入学早々空気の読めない同級生、秋好寿乃と出会い、なし崩し的に同じ時間を過ごすことが増えてゆく。…

『夜空の呪いに色はない』

『夜空の呪いに色はない』 河野裕 『いなくなれ、群青』から始まる階段島シリーズ5作目。 階段島の在り方、魔法の在り方を巡って、階段島に居合わせた登場人物たちが、それぞれの理想をかかげ、傷つき、それでも前に進み続けるための物語。 七草くんをはじ…

『少年Nの長い長い旅 04』

『少年Nの長い長い旅 04』 石川宏千花 講談社タイガにて刊行されている異世界に飛ばされた小学生たちの数年後を描いた『少年Nのいない世界』と連なる物語、少年Nシリーズ。 児童書レーベルから刊行されている同級生たちと異世界に飛ばされた少年の冒険譚『少…

『星か獣になる季節』

『星か獣になる季節』 最果タヒ 最果タヒさんの紡ぐ言葉が好きすぎるが故に手に取った作品。 詩人としても有名な最果さんですが、今回は小説。 実は単行本も持っているのですが、文庫化を機に再び、というのと、『バーナード嬢曰く。』の著者である施川ユウ…

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 13』

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 13』 大森藤ノ ※以下にネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ13作目。 とにもかくにも手に汗握る展開とベルくんのかつてないピンチにどきどきしっぱなしの今回。 …

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下』 暁佳奈 2018年1月現在放送中のアニメ、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の原作小説にあたるこの作品。 そして、主人公であるヴァイオレットが代筆屋として働き始めるまでの経緯と彼女を支える仲間たちとその後…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上』 暁佳奈 2018年1月現在、アニメ放送中の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。 放送開始前からPVから気合の入れようがうかがい知ることができ、期待大だと一部で話題になっていたこの作品。 http://violet-evergar…

『雪には雪のなりたい白さがある』

『雪には雪のなりたい白さがある』 瀬那和章 雪には雪のなりたい白さがある、というタイトルの響きがとても印象に残っていて、つい先日この作品が文庫化されているのを見かけたときには喜び勇んでレジへ。 港の見える丘公園、あけぼの子どもの森公園、石神井…

『ひとりぼっちのソユーズ』

『ひとりぼっちのソユーズ 君と月と恋、ときどき猫のお話』 七瀬夏扉 開幕ひとこと言わせてほしいことがある。 もしかしたら今年はもうこれ以上の作品が見つからなくたっていいと思えるような物語に出会ってしまった。 クライマックスでもなんでもないような…

2017年下半期に読んだ、琴線に触れた小説4選

2018年迎えたどころか既に2週間近く経ちますが、タイトルの通りです。 こういうのは大抵年末年始のムードの中しめやかに更新されるものなのかもしれませんが、2017年下半期のまとめは次の半期が終わる2018年の6月いっぱいまでじゅうぶん許されるつもりでいる…

『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』

『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』 望月拓海 第54回メフィスト賞受賞作にして、静岡県浜松市を舞台にしたミステリアスでせつない恋愛小説。 浜松市内の書店さんでは大々的に取り扱われており、静岡限定カバーなるものも存在しているみたいです。 【お知ら…

『毛布おばけと金曜日の階段』

『毛布おばけと金曜日の階段』 橋本紡 兼ねてから橋本紡さんの作品が大好きで。 この作品は2002年に刊行されたものなのですが、発売から10年以上経ってこうして運命的な出会いを果たす。 今回も繊細で絶妙な心の機微が描かれていたり、あたたかな「家族像」…

『繕い屋 月のチーズとお菓子の家』

『繕い屋 月のチーズとお菓子の家』 矢崎在美 悪夢を料理して食べていまうことにより、過去を消化するという設定に惹かれて。 今まで、もののたとえとして過去を「消化」するというような言葉を使ったことはあるけれど、文字通り食べてしまうなんて! あらす…