ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

創元推理文庫

『雪には雪のなりたい白さがある』

『雪には雪のなりたい白さがある』 瀬那和章 雪には雪のなりたい白さがある、というタイトルの響きがとても印象に残っていて、つい先日この作品が文庫化されているのを見かけたときには喜び勇んでレジへ。 港の見える丘公園、あけぼの子どもの森公園、石神井…

『最良の嘘の最後のひと言』

『最良の嘘の最後のひと言』 河野裕 よもや河野裕さんの作品が創元社推理文庫から刊行されるなんて夢にも思っていなくて、第一報を目にした時にはとてもわくわくしました。 物語の内容はコンゲーム――登場人物たちが騙し合うミステリ。 私の中で河野さんの文…

『日曜は憧れの国』

『日曜は憧れの国』 円居挽 カルチャーセンターの講座で出会った4人の中学生の成長を描いた5編の短編。 それぞれ生きづらさや悩みを抱えている少女たちは、講座やお互いのやり取りを通して少しだけ前を向ける力を得てゆく。 日常の謎、という形でミステリ…

『放課後スプリング・トレイン』

『放課後スプリング・トレイン』 吉野泉 福岡を舞台にした4編の連作短編ミステリ。 言葉遊びのような、ダジャレのような連想的に次々と紡がれる言葉の選び方がとても好みでした。 決してコミカルでおどけた雰囲気ではなく、登場人物たちが共通の理解を楽し…

『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』

『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』 十市社 もともとKindleにて発売されていた当作品。 2014年の単行本化を経て文庫化。 この作品、単行本として発売された時からタイトルや表紙の雰囲気からとても気になっていたので、ようやくこうして文庫として手に取るこ…

『少年検閲官』

『少年検閲官』 北山猛邦 12月になり、様々な媒体で年間小説ランキングが発表されましたね。いくつかのミステリランキングにランクインした、北山猛邦さんの『オルゴーリェンヌ』のシリーズ前作がこちらの『少年検閲官』ということで。溺れるくらいすきな片…

『フライ・バイ・ワイヤ』

『フライ・バイ・ワイヤ』 石持浅海 石持浅海さんによる青春ミステリ。 『扉は閉ざされたまま』から始まる碓氷優佳シリーズが前々から気になっていて、石持浅海さんの名前は知っていたのですが、そのままずるずると読まず仕舞いで……。 Twitterや書店の店頭で…

『さよなら妖精』

『さよなら妖精』 米澤穂信 来月あたりに『さよなら妖精』に登場する太刀洗万智の物語、『王とサーカス』が刊行されると聞いて、久しぶりに読み返してみました。 米澤穂信さんの作品の中では、この『さよなら妖精』がいちばんすきだったりします。 この作品…

『眼鏡屋は消えた』

『眼鏡屋は消えた』 山田彩人 第21回鮎川哲也受賞作の今作。 書店で見かけたとき、主人公の女性が8年間の記憶がすっかり失われたまま母校で教師をすることになってしまう、つまりついこの間までは高校生だったのに気が付いたら自分は年を取って教師をしてい…