ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

2015-01-01から1年間の記事一覧

『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』

『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』 河野裕 『いなくなれ、群青』 『その白さえ嘘だとしても』 に引き続き、階段島シリーズ第3弾。 舞台は階段島を一旦離れて、現実世界を生きる七草くんと真辺さんのお話でした。 何故、七草くんと真辺さんは自分を捨てたのか。 そ…

『ぺてん師と空気男と美少年』

『ぺてん師と空気男と美少年』 西尾維新 講談社タイガから刊行されている西尾維新さんの「美少年」シリーズ第2弾。前作(『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』 - ゆうべによんだ。)の刊行は2ヶ月前という、かなりのハイペースで私の財布と積読本の山…

『少年検閲官』

『少年検閲官』 北山猛邦 12月になり、様々な媒体で年間小説ランキングが発表されましたね。いくつかのミステリランキングにランクインした、北山猛邦さんの『オルゴーリェンヌ』のシリーズ前作がこちらの『少年検閲官』ということで。溺れるくらいすきな片…

『サマー/タイム/トラベラー2』

『サマー/タイム/トラベラー2』 新城カズマ 前回(『サマー/タイム/トラベラー1』 - ゆうべによんだ。)に引き続き、今作で完結となります。まず、読み終えてひとこと。これ、めちゃくちゃすきなタイプなやつ!「綺麗」な感情に弱いのかもしれません。それから…

『つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先』

『つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先』 河野裕 「つれづれ北野坂探偵舎」シリーズ、5作品目。帯によれば、次でシリーズ完結、ということで、始まればいつか終わるものではあるけれど、少し寂しい。今回はユキが幽霊の世界に迷い込むところから始…

『“文学少女”と繋がれた愚者』

『“文学少女”と繋がれた愚者』 野村美月 “文学少女”シリーズ3作目。今回の題材は、武者小路実篤の『友情』。これもまた、私の読んだことのない作品でした。お話が進むごとにどんどん面白くなってゆくので、まだまだ続くとはいえ、このシリーズが既に完結し…

『僕と死神の黒い糸』

『僕と死神の黒い糸』 天野頌子 『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』シリーズで兼ねてから名前は知っていた天野頌子さん。例の如く、陰陽屋シリーズも読みたいとは思っていたのです……もしかしたら既に1冊買ってある、まである。夢は大きく目標は高くってオト…

『サマー/タイム/トラベラー1』

『サマー/タイム/トラベラー1』 新城カズマ神保町で行われたブックフェスティバルの早川書房のブースにて、他のお客さんが手にするのを見て、タイトルも著者も初めて目にするものでしたが、勢いで。 時間SFと夏、そして学生っぽい少年と猫のイラスト、ってだ…

『かなりや荘浪漫 星めざす翼』

『かなりや荘浪漫 星めざす翼』 村山早紀 主人公の茜音が幽霊になってしまった天才漫画家の玲司や、編集者の美月さんを始めとするかなりや荘の人々に支えながら漫画家を目指していく、『かなりや荘』シリーズ。 茜音が漫画家を目指すことになる経緯やかなり…

『ストロベリアル・デリバリー』

『ストロベリアル・デリバリー』 織川制吾 配達人のイットと少女のイソラが繰り広げる、絵本や童話のようなふんわり不思議な物語。 以前にも何度か触れたように片山若子さんのイラストが好きで、書店の棚やインターネット上で見かけるとつい眺めてしまいます…

『かなりや荘浪漫 廃園の鳥たち』

『かなりや荘浪漫 廃園の鳥たち』 村山早紀 『竜宮ホテル』シリーズを読んで以来、他のシリーズも読みたいと思いながらずるずると来てしまいました。『コンビニたそがれ堂』も『カフェかもめ亭』も『花咲家』もどれも店頭で見かけたことがあり、とても気にな…

『シャーロック・ホームズの不均衡』

『シャーロック・ホームズの不均衡』 似鳥鶏 似鳥鶏さんの作品の中では、以前に『理由あって冬に出る』を読んだことがあり、想定外で少し後を引くような終わり方がとても印象的でした。一応シリーズものとして、いくつか続いているらしく続きもいつか読みた…

『君と時計と嘘の塔』

『君と時計と嘘の塔』 綾崎隼 今回は講談社タイガの綾崎隼さんの作品。 タイムリープミステリ四部作の第一弾。 ブログとして記事にはしていないのですが、数作品続けて時間SFものを読んでいたということもあって、その流れで今月刊行のタイガ作品のうちこの…

『プシュケの涙』

『プシュケの涙』 柴村仁 私のTwitterのタイムライン上で話題になっており、気になったので、つい。 なんとなくタイトルに馴染みがあったので、以前にどこかのサイトでもおすすめされているのを見かけたことがあるのかもしれません……。 電撃文庫、メディアワ…

『記憶屋』

『記憶屋』 織守きょうや Twitterで見かけ気になっていたこの作品。 YouTubeでのPVの雰囲気もよい感じだったので、是非。 『記憶屋』織守きょうや 著 あらすじ動画 - YouTube 角川ホラー文庫から出ていますが、ホラーということばから連想されるような怖さや…

『バビロン Ⅰ —女—』

『バビロン Ⅰ —女—』 野﨑まど 今までに野﨑まどさんの作品はいくつか読んだことがあるのですが、私の中ではつかみ所がないという印象がとても強いです。もちろんいい意味で。多才、というより、つかみ所がない。デビュー作の『[映] アムリタ』が全体的に…

『晴追町には、ひまりさんがいる。 始まりの春は犬を連れた人妻と』

『晴追町には、ひまりさんがいる。 始まりの春は犬を連れた人妻と』 野村美月並行して読み進めている文学少女シリーズの野村美月さんの作品。文学少女シリーズをまだ「かじった」だけの私ですが、各話の冒頭に挟まれるモノローグや全体的に軽やかながらも登…

『彼女は一人で歩くのか?』

『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』 森博嗣 現在『すべてがFになる』アニメ放送中の森博嗣さん。……実は(という程のことでもないのかもしれませんが)、今回森博嗣作品を手に取るのは初めてなのです。S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズ、四季シ…

『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』

『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』 西尾維新 待ちに待っていた講談社タイガの創刊。最初の1冊はこの作品にすることにしました。アニメ化された『化物語』から始まる「物語」シリーズやドラマ化された『掟上今日子の備忘録』から始まる「忘却探偵…

『陽気なギャングは三つ数えろ』

『陽気なギャングは三つ数えろ』 伊坂幸太郎 「陽気なギャング」シリーズ9年ぶりの新作。兎にも角にも登場人物のやり取りが懐かしい……。どんな嘘でもお見通しな成瀬。演説の名人、もとい貶されキャラの響野。完璧な体内時計をもつ雪子。天才的なスリ、という…

『妖精作戦』

『妖精作戦』 笹本祐一 よく足を運ぶ書店の棚の端っこで、ひっそり平積みされていて少し前から気になっていたこの作品。読みたいけれど、実際手に取るのは当分先になりそう……、と、思っていました、ついこの間までは。別の書店にて、近々映画化される有川浩…

『“文学少女”と飢え渇く幽霊』

『“文学少女”と飢え渇く幽霊』 野村美月 前作に引き続き、文学少女シリーズ第二弾。 前回にも増して幻想的な雰囲気が立ち込めるお話でした。 ここは人間嫌いの天国だ。 この一節から始まる今回のお話の題材はエミリー=ブロンテの『嵐が丘』。 こちらも読んだ…

『灯籠』

『灯籠』 うえむらちか 表紙イラストが片山若子さんということもあり以前から気になっていたこの作品。ちょうどサイン本を手にする機会があったので、読んでみることにしました。事故に遭い両親と死別してしまった少女、灯(ともり)。とあるお盆に、両親のお…

『ようするに、怪異ではない。 ある夏の日のがらんどん』

『ようするに、怪異ではない。 ある夏の日のがらんどん』 皆藤黒助前作(『ようするに、怪異ではない。』 - ゆうべによんだ。)に引き続き、「ようかい」シリーズ2作目。サブタイトルにある「がらんどん」も妖怪の名前なのですが、最初目にした時、その響きか…

『ゲーマーズ!2』

『ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド』 葵せきな ゲームを中心に高校生が織り成す青春小説……もとい、ぽんこつどたばた多角ラブコメディ第2巻。 ※以下、内容に触れています未読の方やネタバレを避けたい方はご注意ください。 前回(『ゲーマーズ…

『空が分裂する』

『空が分裂する』 最果タヒ『死んでしまう系のぼくらに』が刊行された際に、ぴかぴか蛍光色の装丁と、何よりそのタイトルの語感から気になっていた最果タヒさん。新潮文庫nexから、どうやら別作品の文庫本が出るらしい! ということで。今作は小説ではなく詩…

『“文学少女”と死にたがりの道化』

『“文学少女”と死にたがりの道化』 野村美月 満を持して、以前から気になっていた野村美月さんの文学少女シリーズを手に取ることに。 たった2人だけの文芸部員。 かつて覆面「美少女」小説家として世間を騒がせた高校二年生の少年、井上心葉(このは)。 文字…

新潮文庫nex総選挙とこっそり推したい選外作品。

先日、新潮文庫nex総選挙の結果が発表されました。 新潮文庫nex総選挙2015 | 新潮文庫nex 全作品読んだわけでは無いですが、ほんのりレーベル追っかけしている私にとって、選外にも読んでもらいたい作品がいくつかあって、どうせなら作家ごと推して記事にし…

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 9』

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 9』 大森藤ノ ※既刊含め内容に触れている部分があります。ネタバレを避けたい方や未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ9作目。 前回気になる終わり方をしましたが、今回は9巻10巻合わせて…

『海の見える街』

『海の見える街』 畑野智美 『国道沿いのファミレス』、『夏のバスプール』(『夏のバスプール』 - ゆうべによんだ。)に続いて畑野さんの文庫化作品3作品目。 「海の見える街」ということばをみると、ジブリ映画の『魔女の宅急便』でのBGMがふいに頭で流れ…