ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

2017年上半期に読んだ、特別お気に入りな小説7選+α

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ただただ私がたくさんの素敵な小説に巡り合うことができた縁をひたすらにありがたるだけの記事。

特にこの半年はエンタメとして「面白い!!」という作品よりも、ざくざくと私の感情を揺さぶるような作品にたくさん出会えた印象です。

以下、発売時期は問わず、私が2017年上半期に読んだ本を対象に、読んだ時期が早かった順に挙げています。

「7選+α」の「+α」枠は小説以外のエッセイやコミックなどから。

 

 

 

 

 

『あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。』 友麻碧

浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。 (富士見L文庫)

浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。 (富士見L文庫)

 

 

現時点で2巻まで刊行されているシリーズ作品。どうやら3巻目の刊行も既にめでたいことに決まっている様子。

妖怪や怪異を扱った小説はたくさんありますが、今作でひとつ特徴的なのは前世で夫婦だった酒呑童子と茨城童子が現代に生まれ変わって生活しているという点。まあ、彼らの夫婦漫才ににやっとしたり、悪さをする妖怪との対峙にわくわくしたりと色んな要素がぎゅっと詰まった物語なのですが、個人的に推したいのはキャラクターのゆるさ、かわいさ。

何を隠そう、この小説に出会ってからというもの、私の目には見えないはずの手鞠河童のことが愛おしくてたまらないのです......。

 

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『自由なサメと人間たちの夢』 渡辺優

自由なサメと人間たちの夢

自由なサメと人間たちの夢

 

 

タイトルや表紙などに惹かれて、それこそ運命的と言っても差し支えない出会い方をして手に取った短編集。 

希死念慮や現実逃避など、どこか後ろ暗さを抱えた登場人物たちに目が離せなくなってしまう。

時には自分と似通った部分を見出したり、時には彼らに手を差し伸べたくなったり。

何より、必死の思いで買ったサメに救いを求める、という情景があまりにも切に響いて思わず「ねえ、サメ」とつぶやきたくなる。

 

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『おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱』 オキシタケヒコ

 

座敷牢の中の少女に自身が集めた怖い話を誰にも知られぬように10年間語り続けてきた少年の物語。

これ、めちゃくちゃ面白かった! 

それ以上に言葉はいらないよね??? ってくらいに。

最初土俗ホラーのような、どこかおどろおどろしい雰囲気で物語が進んでいくのですが、終盤に近づくにつれ色んな要素が絡み合って、想像もしていなかったほどに爽やかな結末に。

この後どうなってしまうんだろう、というどきどき感わくわく感でページが進むこと進むこと。

 

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『ひきこもりの弟だった』 葦舟ナツ

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

 

 

自身にコンプレックスを抱えた男女が半ば契約的に夫婦仲になる話。

表面上は穏やかに進んでいく生活の中でも、心は少しずつ寂れてゆく。

こういう、幸せを諦めてしまっている人たちがもがく話にたまらなく弱い。

読んでいると胸がいっぱいになって苦しいのだけれど、ページを捲る手が止まることはなくて、まだ見ぬ物語の先に救いを求めてしまう。

今回に至っては、ふたりが選んだ結末が本当に、よい。

最後のシーンも本当に好きすぎて、今思い出すだけでもぐっとくる。

 

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『十代に共感する奴はみんな嘘つき』 最果タヒ

十代に共感する奴はみんな嘘つき

十代に共感する奴はみんな嘘つき

 

 

今思えば私の半期ごとのまとめ記事に毎回登場している最果タヒ作品。

これに限ってはもうどうしようもないことなのです。

今作に関しても、きっと読む人によって思うことはそれぞれなので、とりあえず言っておきたいのは『十代に共感する奴はみんな嘘つき』だってこと。

 

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『神さまのビオトープ』 凪良ゆう

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

 

 

これは今まで読んできた小説とはまた違った衝撃を受けた作品。

主人公の目の前に夫の幽霊が現れるのだけれど、そのことがごく当たり前のように主人公にとっての日常になってゆく。

そこにあるのは、感動的な結末ではない。

周りと少し違うというだけで、白い目を向けられがちな主人公だが、彼女はただありのまま、彼女が生きていたいように生きているだけなのだ。

その他にも、少数派であるが故に生きづらさを感じている人々が登場する。

私が日常的に無意識にそのような人たちを「ころしてしまっていた」ことを痛感すると同時に、私もまた誰かの声を気にし過ぎる必要はないのだと少し肩の荷が下りたような気分になった。

 

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『おまえのすべてが燃え上がる』 竹宮ゆゆこ

おまえのすべてが燃え上がる (新潮文庫nex)

おまえのすべてが燃え上がる (新潮文庫nex)

 

 

 これもまた竹宮ゆゆこさんの軽妙台詞回しに気を抜いていると一気に喉元に剣先を突き付けられるような作品。

主人公の信濃の目の前に幾度も現れる絶交したはずのかつての友人。

居心地がいいはずのその友人の隣もかりそめのものでしかなくて。

普段の明るさとは裏腹に、自分のおしろ(≒自分の居場所)がほしい、という信濃の縋るような台詞が妙に印象に残っていて、具体的なものから抽象的なものまで、日常の中でふと欲しいものを思い浮かべるとき私の中の信濃がほしいほしいという。

 

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以上、ここまでがここ半年で出会った中で特に思い入れの強い小説7選でした。

ふわふわーとした気分のまま手に取って読み始めると、思い切り心を鷲掴みにしてきて消化不良起こしそうになる作品ばかりだったので、本当に油断ならない......。

 

 

そしてここから先は小説以外のエッセイ、コミック等の中から印象に残っているものをいくつか。

 

 

 『たとえる技術』 せきしろ

たとえる技術

たとえる技術

 

 

本屋の平積みを眺めていて、ぱっと目についたので。

せきしろさんの『カキフライが無いなら来なかった』という本も、読んだことはないけれど妙に題名だけが頭に残っていたこともひと押し。

この本には感情や抽象的な言葉やはたまたピンチの切り抜け方まで「~のように」というたとえを使ってあらわしたものがそのちょっとしたテクニックとともに列挙されている。

こういう当意即妙なレトリックみたいなの、すごい憧れる。

作中から引っ張ってくるなら、

「中身がわかるようになっているおにぎりのように優しい」「スラムダンク全巻を売ってしまったような後悔」みたいな、分かるけどなんかくすっとくるものが多くて、そういうものに可笑しさを感じられる人は絶対に読んでいて楽しいと思う。

暫定的にいちばんのお気に入りは天気を表現する比喩で「シューベルト「魔王」なら子どもが死んでてもおかしくないような嵐」。

よくない?????

こういうの、気心の知れた人たちの飲み会とかでにこにこしながら言いたい。言いまくりたい......。

 

 

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』 川上和人

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 

 

 これはタイトルのひねくれ具合に惹かれたのと、このHONZのレビューを読んですごく面白そうだったから。

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』受け身であること、それは最高のエンターテイメントである - HONZ

メインは著者の鳥類学を研究してきた中での経験談なのだけれど、なんていうか事あるごとに小ネタを挟もうとするので、一周回って、漫談するために鳥類学の話を引き合いに出しているのではないかと思ってしまう程。

面白いなーと思って読んでいたら、知らぬ間に鳥類に関する専門的な知識も身についてしまう末恐ろしい本なのだ......。

実際どんな感じの内容なのかは先のレビュー記事にふんだんに引用されているので是非覗いてみてくださいまし。

 

 

 『あさは、おはよう』 大澄剛

あさは、おはよう -大澄剛短編集- (ヤングキングコミックス)

あさは、おはよう -大澄剛短編集- (ヤングキングコミックス)

 

 

 Twitterで書影を見かけてビビっと来て、読んでみたら凄くよかったコミック。

あまり漫画に明るくなく、初めて手に取る作者さんだったのですが、家族だったり人とのつながりをオムニバス形式で描いた作品でした。

娘を嫁にやる結婚直前の父親とその娘の関係とか、そういう今ではちょっと古くさいの「家族っていいものだよね」「他人との関りっていいものだよね」みたいなあたたかみがぎゅっと詰まってました。

そして何より、書影にあるような大澄剛さんの描く人物の満面の笑みが本当に素晴らしい。

きっと親だったり子どもだったり、立場によって一連の作品を読んだ時の受け取り方が大きく変わるのかもしれないな、と思う。

 

 

ホクサイと飯さえあれば』 鈴木小波

 

 友人に薦められて『甘々と稲妻』を読むようになったのですが、その中に挟まっていたペーパーで『ホクサイと飯さえあれば』の試し読みを読んで、すっかり心を掴まれてしまい、今ではすっかりお気に入りの作品に。

 

甘々と稲妻』同様、ごはんもの、なのですが主人公のブンの料理にかけた時間まで愛おしそうに、いっしょに口にする感じがたまらなくツボ。

作るところから食べるところまで「ごはん」を楽しんでいる様子が伝わってきて、読んでいてすごくわくわくする。

例えば一巻の表紙に描かれてるミートボールスパゲティなんてそれこそロマンのかたまりじゃない???

この漫画読んで以来、私も時々ミートボールスパゲティ作るようになったし、その時はなんか目の前の料理がただただ愛おしくてたまらない。

ネタバレになるから詳しくは言わないけど、梅酒の話、すごい好き。思わずため息出ちゃったくらい。ちなみに何巻に出てくるかは忘れたから、とりあえず既刊全部買えばいいと思います。

 

 

『空っぽのやつでいっぱい』 アボガド6

空っぽのやつでいっぱい (KITORA)

空っぽのやつでいっぱい (KITORA)

 

 

Twitterでイラスト等を見かけたことがあり、気になっていたので。

twitter.com

それからニコニコ動画ボーカロイドの方でもすきな曲の動画イラストを担当されていたというのもあって。

メーベル/flower by バルーン VOCALOID/動画 - ニコニコ動画

 

こちらはどことなく「不幸」が漂うオムニバス形式の短編マンガ作品集。

決して完全無欠の幸福を迎えるわけではないのに、一連の話を読み終えたときに安堵にも似たあたたかさをおぼえる。

小説で言うところの三秋縋さんの作品が好きな人は、絶対好きなやつ。

最後の最後で「もしかしたら私が思い描いていた程不幸ではなかったのかもしれない」と思わせる感じがすごく上手くて、それがカタルシスに繋がる。

 寂しい人たちの話が好きな人は読んでみてほしい。

 

 

 

 

以上、私の2017年上半期読書のハイライトでした。

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