ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

2016年下半期によんだ、あれやこれ。

2016年に読んだ本をまとめようまとめようと思っていたら、年が明けていました。

ご想像の通り、夏休み等の長期休暇の課題はぎりぎりまでため込むどころか新学期始まってから手を付けるタイプです。

上半期程、読んだ本についての記事を書けていないのですが、小説→その他エッセイ等の順番で特に印象に残っている本を挙げていきたいと思います。

 

 

2016年上半期に読んだ本はこちら。

shiyunn.hatenablog.com

 

 

『魔法使いのハーブティー』 有間カオル

 

 確かこのブログに足を運んでくださった方にコメントにておすすめしていただいて読んだ本です。

美味しいご飯が出てくる本――より正確にはご飯がメインではなくて登場人物の優しさのあり方として食べ物が出てくる物語、が好きな私にとってどんぴしゃでした。

後述でまた触れる機会があるのでここでは詳しいことは割愛しますがタイトルの魔法使いというのも◎。

この本を読んで以来、家でカレーを作る際には作中の登場人物を真似てひと手間(というほど手間ではないですが)加えるようになりました。

カレーを作る度にこの本のことを思い出すので、もはや私の日常生活の一部です。

 

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『にじゅうよんのひとみ』 吉田恵里香

にじゅうよんのひとみ

にじゅうよんのひとみ

 

 

 ある日書店にて劇的で運命的な出会いを果たす。

こういう出会いがあるから、インスピレーションにまかせて気の向くままに本を手に取るのが止められない。

私にとって物語の内容は決して生易しいものではなくて、日頃感じている自身の「冴えない部分」を的確に射抜いてくる。

眠れない夜に本を開こうものなら、多分、もっと頭の中を取り留めのない言葉が巡るかもしれない。

世のあまねく人に刺さる物語ではないのかもしれないけれど、きっと誰かには間違いなく確かな痛みを伴って心に残り続ける物語だと思っています。

 

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『青の数学』 王城夕紀

青の数学 (新潮文庫nex)

青の数学 (新潮文庫nex)

 

 

数学を題材にした紛れもない青春小説。

この記事を書いている現時点(2017年1月)では2巻まで刊行されています。

高校生の何かに打ち込む姿だったり、何かを続ける理由だったりというのを、数学という題材を用いて描いているのが私にとって斬新で。

もちろん、斬新である、というだけではなく、主人公の少年が数学を通して自身の世界を押し広げていく感じ、成長していく様子に胸が熱くなる。

時にはライバルだったり、時には友人だったりと競い合いながら、まだ線のあやふやな自身の感情や在り方をはっきりとさせていく。

 

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『いつかの空、君との魔法』藤宮カズキ

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

 

 

100%趣味枠。

私はたまらなく好きなのだけれど、他の人にとってもこの物語が素敵なものであるかどうかは知りません枠。

誰が何と言おうと私はこの物語の世界観が、登場人物たちが好きで好きでたまらないのです枠。

魔法が日常の一部になった物語というのが好きで、何かを攻撃したり仰々しい呪文があるわけでもなく、ただ当たり前のように空を飛ぶし当たり前のように魔法前提の会話をする世界というのは読んでいて本当に想像が膨らむ。

他にどんなものがあるのかな、どんなことができるのかな、と考えるのが楽しくて楽しくて。

つい先日2巻も発売されたのですが、こちらも大満足でした。

 

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『桜風堂ものがたり』 村山早紀

桜風堂ものがたり

桜風堂ものがたり

 

 

村山早紀さんのお話をぽつぽつと読むのですが、何より村山さんの書く本にまつわる物語というのがたまらなく好きで。

今回も、書店を舞台にした物語ということで書店に並んだていたのを見て飛びついた記憶があります。

一冊の本が本を愛する人たちの熱意を持って売られていく物語に、そうしてその本の読者だけでなく作者までもが救われていく展開に本当に心打たれる。直近で言うと内容を隠したまま店頭に並べられた「文庫X」として展開された本が話題になりましたが、熱意や愛情というのは本当に人の心を動かすものなのだな、と。

 

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『きみの言い訳は最高の芸術』 最果タヒ

きみの言い訳は最高の芸術

きみの言い訳は最高の芸術

 

 

兼ねてから最果タヒさんの詩集や小説を読むのが好きだったのですが、今回のこちらはエッセイ集。

詩や小説とは違う、最果さんが更新しているブログやあとがきに似た文体で書かれてい

て、本棚のよく見えるところに置いておいて時たま手に取って読みたくなるような、そんな本でした。

最果タヒさんなりの人間関係や世の中の見方がさらりと書かれているのですが、なんでだろう、きっと嘘も衒いもないのでクリティカルに胸に残る。

そして書かれていることのほとんどが私では持ちえなかった思いや視点であるだけに、何度も何度も反芻して自分なりに落とし込もうと思ってしまう。

 

ブログがあるので、気になる方は是非こちらも覗いてみてください。

tahi.hatenablog.com

 

 

 

 『出水ぽすかアートブック ポ~ン』 出水ぽすか

出水ぽすかアートブック ポ~ン

出水ぽすかアートブック ポ~ン

 

 

小説の装丁を担当されているイラストレーターさんの画集を手にすることはよくあるのですが、店頭で一目ぼれして手に取ったのは初めてでした。

週刊少年ジャンプにて連載中の『約束ネバーランド』という作品の作画を担当されているということも知らず......。

 思わず物語を想起させるようなイラストがとてもたくさん詰まっていて、1ページ1ページゆっくりと眺めながら、私ならどんな物語にするだろう、と考えているだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。

特に幻想的な街や住人のイラストが個人的にいちばん印象的で、多分私が魔法のある世界が好きなのと、根っこは同じなのかもしれないです。

Twitter上でも色々なイラストを見ることができるので是非見てみて欲しいです。

現在、出水ぽすかさんのTwitterのトップで見ることのできる「守られていたかもしれない」という絵ですが、砂時計の中に街があって、それが割れて旅立つところ、そしてこのタイトル......これだけでひとつのお話が書けてしまいそうな膨らみのある世界観がたまらないです。

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2017年も素敵な本との出会いがありますように。