2017-01-01から1年間の記事一覧
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 12』 大森藤ノ ※以下にネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ12作目。 いきなりですが、この巻、ものすごく面白くて本当に一気読みでした......。『異端児』編が…
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 11』 大森藤ノ ※既刊含め内容に触れている部分があります。ネタバレを避けたい方や未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ11作目。 人語を操るモンスター『異端児』を巡る物語も、今回でよ…
『先生、原稿まだですか! 新米編集者、ベストセラーを作る』 織川制吾 以前に今作と同じく集英社オレンジ文庫から刊行されている織川制吾さんの『ストロベリアル・デリバリー』心撃ち抜かれ、今度は本にまつわる物語が刊行されるということで、これは読まね…
『天使は奇跡を希う』 七月隆文 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で著名の七月隆文さんの作品。 表紙イラストを担当されているのは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『君の名は。』のキャラクターデザインなどを手がけている田中将賀さ…
『アンデッドガール・マーダーファルス 2』 青崎有吾 講談社タイガより刊行されている、シリーズ2作目。 青崎有吾さんと言えば、『体育館の殺人』に始まるミステリシリーズも評判ですが(まだ読めてない......)、今回は完全にバトルものだよ、これは! あ…
『少年Nのいない世界 02』 石川宏千花 講談社YAにて刊行されている『少年Nの長い長い旅』と連なる「少年N」シリーズ。 「長い旅」では異世界に飛ばされた野依を主人公とした冒険活劇として描かれているのに対し、その5年後を描いた「いない世界」シリーズで…
『人魚姫 探偵グリムの手稿』 北山猛邦 北山猛邦さんによる近代ヨーロッパを舞台にした幻想的なミステリ。 タイトルからも分かる通り、魔法や人魚が存在する世界で、主人公のハンス・クリスチャン・アンデルセンは助手役として、王子殺害の真相を探偵役のグ…
『セイジャの式日』 柴村仁 『プシュケの涙』『ハイドラの告白』に続く、”変人”由良を取り巻く人々を描いた物語――通称由良シリーズ3作目。 ※以下、前作までの内容も踏まえた上で思ったことを書いています。シリーズ未読の方はご注意ください。 今までと同じ…
『ディリュ―ジョン社の提供でお送りします』 はやみねかおる 私の中ではやみねかおるさんと言えば、やっぱり「名探偵夢水清志郎」シリーズ。 とはいえ、著者の名前は知っているものの、はやみね作品に数多く触れてきたというわけではない私。 そのことを「あ…
『読者ぼくと主人公かのじょ と二人のこれから』 岬鷺宮 以前に表紙の雰囲気に惹かれて読んだ『失恋探偵の調査ノート』以来の岬鷺宮さんの作品。 失恋探偵の調査ノート ~放課後の探偵と迷える見習い助手~ (メディアワークス文庫) 作者: 岬鷺宮 出版社/メーカ…
『僕らの空は群青色』 砂川雨路 河野裕さんの『いなくなれ、群青』がとてつもなくすきな私。 タイトルに「群青」という単語が入っているという、至極単純な理由で気になっていたところ、Twitterでの他の方の感想を見かけ、今が好機と言わんばかりの勢いで手…
『ハイドラの告白』 柴村仁 『プシュケの涙』に続く、シリーズ2作品目。 シリーズと言っても完全な続き物というわけではなく、いわゆる後日談のような形で前作の登場人物のその後をうかがい知ることができるというものでした。 前回の感想はこちら。 shiyun…
『ifの悲劇』 浦賀和弘 ifの悲劇 (角川文庫) 作者: 浦賀和宏 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2017/04/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 浦賀和弘さんの作品にしてはページ数が少なくさくっと読めそうだったので、気軽にペー…
『八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。』 天沢夏月 私としては『拝啓、十年後の君へ。』以来の天沢夏月さんの作品。 shiyunn.hatenablog.com 「夏の終わり」ではなくて、「八月の終わり」というところが本当によい。 自身の高校生時代の夏休みを…
『神さまのビオトープ』 凪良ゆう 作品を刊行される作家さんが本当に幅広く、毎月講談社タイガからどんな作品が出るのかチェックするのが私の楽しみのひとつ。 今回の『神さまのビオトープ』も刊行予定作品としておよそ1か月前から取り上げられていた時から…
『夜桜荘交幽帳 さよならのための七日間』 井上悠宇 五感すべて及び第六感で「多分これ、好きなやつかもしれない」と感じ取って手に取る枠。 書店とかネットとかでぼんやり眺めてると、時々もとい稀によくあるやつ。 こういう時、その衝動に実際に従うかどう…
『リリエールと祈りの国』 白石定規 どんなものでも大聖堂に捧げられた祈りは成就してしまうという不思議な都市を舞台にした物語。 主人公のマクミリアは、何故だか仕事が長続きせず解雇されてしまい、空腹に行き倒れていたところを「戒祈屋」を営むというリ…
アニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」――通称「あの花」があまりにも好きすぎて、本書を手に取って読んでみた。 その他にも「とらドラ!」だったり「花咲くいろは」だったり「凪のあすから」だったり、気が付けば私の心に残っている作品の中に…
『プールの底に眠る』 白河三兎 自身を取り巻く状況や心の持ちようはいつだって同じじゃないし、その時々によって大好きな小説は変わりゆくものだけれど、「今好きな小説は何?」と訊かれたならば間違いなく3本の指に入るこの作品、『プールの底に眠る』。 …
『オリンポスの郵便ポスト』 藻野多摩夫 書店で見かけて、この物語はもしや私の好きな要素がぎゅっと詰まっているのでは......? と思い始めて、そうなったら棚に並ぶこの本がぴかぴか光ってもう目が離せなくなる、いつものやつ。 今までに読んだ、すきだな…
『十代に共感する奴はみんな嘘つき』 最果タヒ 最果タヒさんによる小説。 まずこの『十代に共感する奴はみんな嘘つき』というタイトルに撃ち抜かれる私。 表紙デザインも相まってサイコー。 「十代に共感する奴はみんな嘘つき」というフレーズを目にするのは…
『か「」く「」し「」ご「」と「』 住野よる 同じ高校に通う5人の物語。 この5人には他人には言えない「かくしごと」が――人の感情の動きが記号的に見ることができという。 もちろんこの能力のようなものだけが「かくしごと」なのではない。 人間関係だった…
『少年と少女と正しさを巡る物語 サクラダリセット7』 河野裕 新装版サクラダリセットシリーズ、最終巻。 前回、能力の存在をすっかり忘れさせられてしまった咲良田の住民。 その中で唯一記憶がある浅井ケイは未来のために、どのような行動を起こすのか。 こ…
『ひきこもりの弟だった』 葦舟ナツ 帯の(私の好きな作家のひとり)三秋縋さんの推薦文とそれにまつわるTwitterの呟きもあって、ここ最近で発売を楽しみにしていた作品のひとつ。 葦舟ナツさん著『ひきこもりの弟だった』の推薦文を書かせていただきました…
『装丁室のおしごと。~本の表情つくりませんか?~』 範乃秋春 タイトル通り、帯を含めた本の装幀デザインを扱う出版社の装丁室の物語。 今作の表紙にも遊び心たっぷり。 こういう本にまつわる物語見つけるとすぐに飛びついてしまう......。 特に製本とか表…
『君は月夜に光り輝く』 佐野徹夜 loundrawさんのイラストがきれいな、第23回電撃小説大賞受賞作。 高校生になった主人公の少年は、岡田卓也は、「発光病」という病で入院中の少女、渡良瀬まみずと出会う。 発光病――月の光により体が淡く光り、死が近づく…
『少年と少女と、 サクラダリセット6』 河野裕 新装版サクラダリセットシリーズ6作目。 シリーズ作品も残すところあと7巻を残すのみ、というところまで来るといよいよ大詰め、という気がしてきます。 今回の物語は最後の締めを迎えるための準備のようなお…
『おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱』 オキシタケヒコ 初めて読む、オキシタケヒコさんの作品。 もともとtoi8さんのイラストやネット上の評判で気になって同著の『筐底のエルピス』の1巻を大事に大事に積んであったのですが、もだもだしているうちに別…
『感情8号線』 畑野智美 畑野智美さんの作品ということで文庫化を機に。 環状8号線沿いに住む、恋愛ごとに心悩ます女性たちを描いた物語。 今まで畑野さんの作品をいくつか読んできたのですが、その中でも群を抜いてぐさぐさと刺さる作品でした。 あまりに…
『最良の嘘の最後のひと言』 河野裕 よもや河野裕さんの作品が創元社推理文庫から刊行されるなんて夢にも思っていなくて、第一報を目にした時にはとてもわくわくしました。 物語の内容はコンゲーム――登場人物たちが騙し合うミステリ。 私の中で河野さんの文…