ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『冴えない彼女の育てかた 4』

冴えない彼女の育てかた 4』  丸戸史明

冴えない彼女の育てかた 4 (富士見ファンタジア文庫)


※以前までのお話含め、内容に触れています。ネタバレを避けたい方、未読の方はご注意ください。


シリーズ4作目。

今回は安芸くんの従姉妹である美智留が登場するお話でした。

身内とは言え、何かと気にかけない美智留の近すぎる距離に安芸くんが終始どぎまぎしてしまうんですが、全体的に明るい雰囲気でした。



安芸くんの従姉妹登場ということで、以前加藤さんとその従兄弟が六天場モールへ行こうとした時に、散々口煩く小言を言っていたことの意趣返しのような形になってしまい、心なしかむくれる加藤さん。

常にフラットな態度の加藤さんですが、何かとゲーム製作に関して、意欲的ですよね。
何か手伝いたいと思い、なんとか徹夜をしてまでスクリプトを扱えるように頑張るのですが、章タイトルがやりたい放題でくすりとしました。
第四章 一週間でスクリプト習得ないから
詳しいスクリプトの動かし方は分からないのですが、まあ、一週間では容易ではないだろうな、ということはわかります(笑)


そんな英梨々との徹夜でスクリプトをいじるシーンでの加藤さんの台詞がすごくいい。
英梨々にゲームのあるシーンにて、ヒロインの表情を挿し替えようと提案するのですが、その時の台詞が。
「見栄、張るよ……女の子なら、さ」  p135
この台詞にいろいろと加藤さん自身の心情も込められていると思うと、深みがある、というより、さっと映えるような台詞だな、と思います。









美智留に関しては、安芸くんがなんとかゲームの音楽を作曲するように頼み込むのですが、なかなか折れず、いつの間にか美智留たちのバンドのマネージャーをすることに。
……まあ、安芸くんもただでは終わらないような雰囲気を最初から漂わせていたのですが。
でも、まさか、美智留以外のバンドメンバーがみんなアニメ好きだとは思いませんでした。
文庫本の口絵を見ると全員にきっちりキャラクターデザインと人物名が付けられているので、これからお話に関わってくるのかな?




これで、シナリオ、イラスト、BGMと基本的な要素は揃った……のかな?
ゲームの作り方はとんと分からないので何とも言えないですが、これからこのメンバーで冬コミに向けてどのように作品を作っていくのかすごく楽しみ。




ちなみに、私は登場人物の中では加藤さんがいちばんすきです。
作品の中でぞんざいな扱いをされている時もありますが(笑)
アクの強い人たちに囲まれているけれど、ちゃんとみんなのことを、サークルのことを考えて行動を起こすことのできる感じ。
引く時には引くけれど、動かなきゃな、と思う時は誰に促されるでもなくちゃんと自分の考えで自分の足で動き出す感じ。
いつか表紙を飾る時は来るのかな……。




冴えない彼女の育てかた』シリーズの感想はこちら。