ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『冴えない彼女の育てかた 2』

冴えない彼女の育てかた 2』  丸戸史明

冴えない彼女の育てかた 2 (富士見ファンタジア文庫)


シリーズ2作目。

安芸くんが熱出したり、加藤さんと六天場モールにデートしに行ったり、詩羽先輩探し回ったり。


安芸くんと詩羽先輩の過去のしがらみの解消が主なお話でした。
解消、というよりか、安芸くんが意図せずして詩羽先輩の肩の荷を下ろす感じの。





個人的に今回の安芸くんと詩羽先輩のホテルでのシーン、すごくすきです。
肌色的な意味ではなくて。


詩羽先輩にとってのかつての安芸くんとの日々がどれだけのものだったのか、そしてそれを今どのように受け止めているのか、具体的に詩羽先輩の口から吐露する形では描かれていないけれど、言葉の端々から想像しながら少しどきどきしながら読みました。


詩羽先輩は自分の作品について素直な意見をぶつけてくれる安芸くんに大して多分甘えていたような部分もあったのかな、とか。

最終回の原稿は見ない見たくないと言われ、どこか突き放されてしまったように感じた感情をきっと捨てきれずにずっと心の中でどうにか飼い慣らしてきたのかな、とか。

その感情を捨ててしまうことは、自分の作品について熱く語ってくれる安芸くんとのふわふわとした日々まで否定してしまうことになってしまうのかな、とか。


多分、そんないろいろを過去の因縁として、安芸くんの呼び方を倫理くんにしてまで敢えて距離を置いた詩羽先輩の不器用さがちょっと切ない。

そんなもやもやっとしたものを込めて、ゲームのプロットを作ったものの安芸くんから中々okが出ず、現在の自分まで否定された気分になってしまったところ、安芸くんから(プロットを)最初から考え直そうよ、と言われ詩羽先輩の気持ちが軽くなる感じ、すごく良かったです。


詩羽先輩の気持ちがプロットに強く投影されているのだとすると、今更安芸くんとの関係性に(恋仲に限らず)何かを期待する気持ちは不純物だと思っていたのかな、と思います。


その点安芸くんはいろいろとずるいですよね。
そんなことも露知らず、あっさりと言ってのけるのだから。
そういう意味では、確かにタチ悪いかもですね(笑)






それから、相変わらず加藤さんがいい子すぎる。

でも今回のお話では、(安芸くんの言葉を借りれば)フラットではない部分も少し垣間見えて、扉絵(? 表紙開いてすぐのところのイラスト)の加藤さんのムッとした表情もすごくいいです。

ただの付き合いではなくて、安芸くんのことを憎からず思っていることがよく分かる仕草だな、と、思いほっこりしました。







著者さんのコメントによると、次巻ではまた新しいヒロインが登場するようで。
まだまだ安芸くんと英梨々との過去にあった何かについて仄めかされるだけで明かされていないので、それも含めて続きのお話がすごい楽しみ。



はた、と思ったんですが、
どのシリーズも、どんなお話も、続きが楽しみ、って言っているような気がします。
幸せなことですね(笑)