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ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『いつかの空、君との魔法Ⅱ』

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『いつかの空、君との魔法Ⅱ』  藤宮カズキ

いつかの空、君との魔法II (角川スニーカー文庫)

 

 

 

 

世界観がとてつもなく好みな作品のひとつ。

前作を何気なく手に取って読んでみたのが始まり。

想像以上に私のツボを押さえていて、人々の暮らしに必要な小道具だったり、箒で青空の見えない空を綺麗にするという設定だったり、ひとつひとつが本当に魅力的なのです。

てっきり1巻完結だと思っていたので、書店で続きである今作を見つけたときは多分ここ数か月でいちばんの喜びに溢れた顔をしていた自信があります。

 

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

 

 前回の感想はこちら。


 

 

 

 

青空のヘクセとして街に青空を取り戻した少年、前作の中心人物でもあるカリム。

そんなカリムと長い間仲違いしていた、とある事情で街中を歩くことができない少女揺月。

カリムの先輩であり、彼とともに空を綺麗にするヘクセの役を務める今作の表紙を飾るレイシャ。

 

先ほど1巻完結だと思っていた、と書いたように前回でお話にひと区切りついていたので今回は一体どんな展開になるのだろう? とわくわくしながら読み進めました。

今回の主人公は何といってもレイシャ。

もちろんカリムを巡ってお話は展開していくのですが、レイシャ周りの描写が多く、私自身レイシャの立場に立ってこのお話を読んでいました。

何よりも、このレイシャの恋と呼びうる感情についての細かい起伏が丁寧に描かれていて、読み終えた今だから断言できるのですが、本当に素敵で可愛くて魅力的な女の子。

 

レイシャ自身、まだ自分の気持ちにはっきりとした自覚のない状態からお話は始まるのですが、揺月とカリムの長年の付き合いから醸し出される、2人だけの近寄りがたい距離感を目の当たりに一喜一憂しながら、ちゃんと自分のカリムに対する気持ちを見つけていく。

また揺月も幼馴染としてカリムのことは好きだと言い切ることができるが、異性に対する好きというのが分からないまま、レイシャとカリムのやり取りを見ながら少しずつ彼女自身の世界を広げていく。

ライトノベルレーベル、三角関係、となると(私の中では)コメディ寄りに描かれる作品が多いイメージですが、今回この3人を巡る物語は本当に丁寧に丁寧でドロドロとした展開を迎えることもなく、恋をしたばかりのあの些細な事で喜んだり落ち込んだりする感じが本当にゆっくりと描かれていて、私もレイシャと同じようにどきどきしたり落ち込んでみたり。

 

 

また、作中ではお祭りが行われるのですが、このカリムとレイシャのデートの場面でのレイシャの所作がたまらなく可愛い。

「あ、私は今日箒じゃないんだ。ほら、髪とか乱れちゃうし」p.104

箒のある世界観も、カリムのために少しでもいちばんの格好を見てもらおうとするレイシャのこともよく表していて、この台詞、好きな台詞のひとつです。

そしてお祭りのフィナーレとしてカリムと揺月が空を飛ぶことになっていたところ、急遽カリムとレイシャが飛ぶことになるのですが、この最後の場面も本当に読んでいてじわじわと琴線に触れました。上手く言えないんですが、一気に鳥肌が立つような感じではなくて、少しずつ波が寄せる感じ。

カリムとレイシャが宙を舞う描写、もちろん文字のみで描かれているのですが、色とりどりの精霊やカリムたちの飛ぶ姿が目に浮かぶようで、華やかできれいな景色を文字の向こうに見ました。

きっとこの場面は今まで読者として、レイシャの色んな思いに触れてきたからこそ輝くと思うのです。

レイシャの恋心とかコンプレックスとかそういったものがぎゅっと詰まっていて、それでもちゃんとその感情たちはふさわしい場所にきちんと落ち着いて。

 

 

 

 

現時点で続きが刊行される予定なのか分からないのですが、この物語を愛する読者のひとりとして、また続きを書店で手に取る日が来るといいな、と願いながら。

 

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