ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

「かもめブックス」に行ってきました。

「かもめブックス」に行ってきました。

 

かもめブックスは、

東京・神楽坂の駅を降りて矢来口を出てすぐのところにある、小さなカフェとギャラリーが併設された本屋さん。

カフェ、ギャラリーにはかもめブックスとは別の名前がそれぞれつけられているのですが、ここではまとめてかもめブックスと呼ぶことにします。

小さなスペースながら、お店独自のセレクト本はもちろんのこと、雑誌から新刊本、児童書、漫画、ちょっとした文房具雑貨まで扱っていて棚を一通り眺めるだけでもすごく楽しいです。

特にいちばん奥の漫画が置いてある棚は、小さな部屋のように仕切られたスペースに所狭しと並べられているので、キラキラしたものが隠された秘密の部屋っぽくて私のいちばんのお気に入り。

何故か他のスペースに比べてあんまり人の出入りも少ないし。

 

kamomebooks.jp

 

割と最近読んだ村山早紀さんの『かなりや荘浪漫 星めざす翼』(集英社オレンジ文庫)という作品の中にも、(十中八九)このかもめブックス(らしきお店)が登場してきて、思いがけず体温上がりました。

見た目じゃわからなかったけれど、美味しい和菓子の中にイチゴ入ってた! みたいな。

......みたいな?

 

 

かなりや荘浪漫 星めざす翼 (集英社オレンジ文庫)

かなりや荘浪漫 星めざす翼 (集英社オレンジ文庫)

 

 

 

今回の私の主な目当ては、ギャラリースペースで行われている井上のきあさんの小さな個展「花と金魚とアンティーク」(~1/11)でした。

集英社オレンジ文庫のいくつかのカバーイラスト等を担当されていて、書店でいくつかその表紙を見かけるようになってから、私も井上のきあさんの名前を知りました。

......表紙と帯の雰囲気で衝動買いしてしまうことの多い私にとって、また新たなずるい強敵が現れたのです。

オレンジ文庫創刊一周年、ということでマスキングテープやしおりがもらえるフェアをやっているのですが、それに合わせて開かれた個展のようです。

 

ギャラリースペースに足を踏み入れると、真っ白な壁一面に色鮮やかな金魚や花の写真が。

 

 

 

ギャラリーの公式Twitterでもつぶやかれていたように、これらの写真からどのようにデザインが起こされていくのか考えるとすごくワクワクしました。

ありふれた景色をどんな角度から見ていて、どんなふうに切り取っているのかな、と。

 

写真の他にも、のきあさんが手がけたデザイン作品の一部や、集英社オレンジ文庫の色校(実際に印刷してみて色の発色を見るための試し刷りのようなもの)が飾られていました。

『下鴨アンティーク 祖母の恋文』(シリーズ3作目にあたる)の表紙の桜や牡丹の色を何段階にもわたって細かく調整されていく過程が見られて新鮮でした、もちろん、いち本好きとして色校を見ることができて子供のように内心どきどきしていました。

 

下鴨アンティーク 祖母の恋文 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 祖母の恋文 (集英社オレンジ文庫)

 

 

これ、あれでしょ、知ってる! 色校っていうやつ!

ひとりで足を運んだので横にいたお客さんにまくしたてるわけにもいかず、そんな熱のやり場に困ってしまい、紆余曲折を経て、井上のきあさんのマスキングテープと特設棚の集英社オレンジ文庫作品をいくつか購入することになりました。

 

 

こんな特設コーナーまで用意されて! 

おまけにかもめブックスとオレンジ文庫のコラボブックカバーをかけてもらえるとなれば、もう......。

我ながら、書籍に対してだけはいろいろとちょろすぎて、かもめブックスさんと集英社さんの手の上で転がされている。

 

f:id:shiyunn:20160110173411j:image

 
こちらがそのブックカバー。
眼鏡をかけた黒いひとは、かもめブックスのマスコットキャラクター、アンドウさんです。
 
そして、手前に写るマスキングテープ
使わないくせにこういう小物見かけるとつい、買いたくなってしまう。
いつもは、買いたくなる、だけですんでのところで手が止まるんだよ、ほんとだよ。
ほんと、ほんと。
 
そして、きっと多くの方がお気づきであろう、右端に写る、「KAMOME BOOKS Secret Book」の文字。 
かもめブックスが悪い。
私は悪くない。
 
 
こちらは先ほどまでの、井上のきあさんやオレンジ文庫の催しとは別の企画みたいです。
新年初笑いと題して、本の題名がわからないようにあらかじめ上記の写真のような特別なカバーがかけられ、その本にまつわるコメントカードが添えられてビニール包装された本が棚にずらりと並んでいました。
文庫サイズのから、文庫に比べ少し大きいのまで。
 
以前に紀伊国屋書店で行われた本の書き出しだけで本を選ぶ「ほんのまくら」フェアがとてもすきで、その「ほんのまくら」フェアに似た、中身のわからない本をコメントカードを見てインスピレーションだけで選ぶというのが、もう、たまらなくて。
 
コメントカードの中には、翻訳ものですよー、とかショートショートですよー、などなど著者が想像できるようなものもいくつかあり、「初笑い」「笑い」をテーマにシュールな笑いやシニカルな笑いまでいろんなコメントが添えられていました。
 
その中で私は全く未知数のこの子を選びました。
 
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ちらりと森見登美彦さんの作品が頭に浮かんだのですが、無事、普段なら手に取ることのないような作品が巡ってきたのでのんびり読んでいきたいです。
 
 
 
 
 
多くの方が、この記事を読む頃には井上のきあさんの個展は終了しているかもしれませんが、シークレットブックの方はもう少しだけ続きそうです。
実際に足を運ばれる際には、かもめブックスのホームページを確認されてからの方がよいかと思います。
もういちどかもめブックスのホームページをば。
シークレットブックだけでなく、ちょっとしたテーマで選ばれた本が並んでいたり――今日私が見た限りでは、「日記」だったり「和」だったり――、普段足を運ぶような書店では見かけることのない企画がくるくると行われていたりするので、お近くの方は是非。
カフェスペースは大きくガラス張りで、陽に当たりながらのんびりコーヒーを飲むというのだけでも、とてもよいと思うのです。
 
 
これだけ言っておいて、何回もかもめブックスに足を運んでおいて、あのぴかぴかおしゃれ空間に1人できれいに文庫片手にコーヒーを飲むイメージができなくて、まだカフェスペースを利用したことがないというのは、また別のお話です。
 
次、頑張るから、次、次。