ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『魔法使いのハーブティー』

『魔法使いのハーブティー』  有間カオル

魔法使いのハーブティー (メディアワークス文庫)

 

 コメントでおすすめしていただいた作品を読むシリーズ。

 

今回は『魔法使いのハーブティー』。

こちらも発売当初に見かけて印象に残っていた作品。

その時は気が付かなかったのですが、イラスト、肋兵器さんなんですね。

 

 

 

私にとって『文句の付けようがないラブコメ』の印象が強いのですが、『文句の付けようがないラブコメ』と、今回の主人公の名前が、それぞれユウキと勇希ということで、何か勝手に運命めいたものを感じながら読み進めました。

 

 

……とはいえ、こちらの主人公は親を亡くし親戚の家々を転々とする14歳の少女。

 夏休みの間、とあるカフェにてお世話になることになるが、住み込みの条件として提示されたのは、「魔女の後継者として、真摯に魔法の修行に励むこと」という条件。

そんな少し不思議な横浜のカフェを舞台に物語が紡がれてゆく。

 

 

まず、この細やかな魔法使い要素と要所要所で登場するハーブティーがとても好みでした。

色濃いファンタジーとして取り扱われるわけではなく、怪しげな呪文も儀式も登場しないのですが、作中に登場する様々なハーブやその薬効にすごく心ときめく。

レモン入れたら色の変わるコモンマロウハーブティー、私もやりたい……。

 

 

カフェに訪れる人たちの欠けた心に沁みるようなハーブティーが次々と登場して、何時でも、色んなハーブティーが飲める環境に憧れてしまう。

実際には嗅いだことのない色んなハーブの匂いの描写に触れる度に、その植物の画像やハーブティーの色を検索しながら読んでしまいました。

ハーブティーや食べ物の寄り添い方が本当によい。

 

 

リンデン、はドイツでも大きな通りの名前になってるやつだ、とか

祖母の家の近くに枇杷の木が生えてたな、とか

時々知っている植物の名前が登場すると、なんだかちょっぴり嬉しい。

 

 

 

勇希のカフェでの暮らしが本当にあたたかくて、1度はこんな生活してみたいと夢に思う程でした。

 ……このままだといつかハーブティーの本とか買ってしまいそう。

いつか誰かに得意顔でハーブティー淹れてあげたい!

 

 

 

また、あとがきで知ったのですが著者の有間カオルさん、メディカルハーブセラピストの資格を取るほどにハーブティーの魅力に魅せられてしまったらしく。

 

先月くらいに刊行された『ボタニカル』。

発売当時は新刊が平積みされる書店の一角でちらりと見かけ、「見てるだけー」と、著者さんは気にしていなかったのですが、題名からして、そんな有間さんが書いた物語なら絶対素敵に違いない、と、現在積読本と財布とにらめっこをしている。

(にらめっこをし始めた時点で既に敗色濃厚)

 

ボタニカル

ボタニカル