ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『パドルの子』

『パドルの子』 虻川枕 ポプラ社小説新人賞受賞作。 ファンタジックな雰囲気漂う瑞々しい青春小説。 水たまりに潜って世界を少しずつ変えてしまうという設定に惹かれに惹かれて発売前から気になっていた作品。 昔からそれこそまさに「水たまりに潜る」みたい…

『僕は小説が書けない』

『僕は小説が書けない』 中村航 中田永一 中村航さんの作品も中田永一さんの作品もどちらもすきで、単行本として刊行された当初も読んだのですが、文庫本として改めて書店に並んでいるのを見たらまた読み返したくなってしまって。 これまた私の大好きなビブ…

『少年たちは花火を横から見たかった』

『少年たちは花火を横から見たかった』 岩井俊二 24年前にテレビドラマとして作られ、今夏アニメ映画として放映予定の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。 もしもこうだったら、という願いが叶えられるというちょっとしたSF要素のある作品です…

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』 原作:岩井俊二 著:大根仁 今から24年前にテレビドラマとして作られた作品が再びアニメ映画作品としてリメイクされることになり、そのノベライズとして刊行されたもの。 テレビドラマ版が存在していたことを…

『やはり雨は嘘をつかない こうもり先輩と雨女』

『やはり雨は嘘をつかない こうもり先輩と雨女』 皆藤黒助 私にとっては『ようするに、怪異ではない。』、通称よう怪シリーズでお馴染みの皆藤黒助さんの作品。 ようするに、怪異ではない。 <よう怪>シリーズ (角川文庫) 作者: 皆藤黒助 出版社/メーカー: KA…

『新訳 メアリと魔女の花』

『新訳 メアリと魔女の花』 メアリー・スチュアート 訳;越前敏弥・中田有紀 今夏に映画化される「メアリと魔女の花」の原作小説、新訳版。 www.maryflower.jp 予告PVを何度か見たのですが、魔法を描いているというところはもちろんのところ、魔女の花が「夜…

2017年上半期に読んだ、特別お気に入りな小説7選+α

ただただ私がたくさんの素敵な小説に巡り合うことができた縁をひたすらにありがたるだけの記事。 特にこの半年はエンタメとして「面白い!!」という作品よりも、ざくざくと私の感情を揺さぶるような作品にたくさん出会えた印象です。 以下、発売時期は問わ…

『あやかし夫婦は青春を謳歌する。』

『あやかし夫婦は青春を謳歌する。』 友麻碧 浅草鬼嫁日記シリーズ2作目。 前回の感想はこちら。 shiyunn.hatenablog.com 前回ですっかり手鞠河童の気の抜けるようなゆるゆるとした可愛さにすっかりと虜になってしまった私ですが、今回のあとがきで作者の友…

『君と四度目の学園祭』

『君と四度目の学園祭』 天音マサキ 時間もの×青春というだけで手に取っちゃうやつ。ジャンル買い。 こればっかりは本当にどうしようもなくて、せつなさ至上主義者の私にとって、時間ものと青春ものあるいは恋愛ものという組み合わせはこの上なく好物なので…

『かがみの孤城』

『かがみの孤城』 辻村深月 悩める少年少女とかがみの向こうの不思議な場所、という組み合わせに、私が辻村さんの作品に触れた頃を思い出してなんだか懐かしいような気持ちで読ませていただきました。 こういう苦悩を抱えた登場人物たちが不可思議な力や場所…

『余命10年』

『余命10年』 小坂流加 余命10年というタイトル。 不遜ながら、(物語として描かれる)余命宣告にしては比較的長い余命だと、このタイトルを初めて目にした時に思い、興味を惹かれた。 おまけに個人的に好きなloundrawさんがカバーイラストを担当されている…

『緋紗子さんには、9つの秘密がある』

『緋紗子さんには、9つの秘密がある』 清水春木 講談社タイガより、ミステリアスな雰囲気漂う青春小説。 私が小説を通して最近覚えたイラストレーターさんのひとりがとろっちさんなのですが、この表紙イラストもとろっちさんが手がけているとは本を開いてそ…

『時をめぐる少女』

『時をめぐる少女』 天沢夏月 メディアワークス文庫より、タイトルから時間ものを匂わせる天沢夏月さんの作品。 実際には帯で上手い具合に隠れてしまって分かりづらいのですが、表紙の下部にも大きく青いイチョウの葉が描かれていたんですね。 物語の中で何…

『バベルノトウ 名探偵三途川理 vs 赤毛そして天使』

『バベルノトウ 名探偵三途川理 vs 赤毛そして天使』 森川智喜 講談社タイガが立ち上げられる前に講談社文庫から刊行されていた作品も含め、今回で6作品目となる名探偵三途川理シリーズ。 サブタイトルにある「赤毛」こと高校生探偵・緋山燃が登場するの、…

『おまえのすべてが燃え上がる』

『おまえのすべてが燃え上がる』 竹宮ゆゆこ 『知らない映画のサントラを聴く』『砕け散るところを見せてあげる』に続いて私にとって3作品目の竹宮ゆゆこ作品となる今作。 率直に言うと今回の『おまえのすべてが燃え上がる』が群を抜いて好みでした。それど…

『君に出会えた4%の奇跡』

『君に出会えた4%の奇跡』 広瀬未衣 ※ネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。 あらすじ 結婚式を間近に控え、数年ぶりに京都に帰った灯里は、自宅で昔の日記帳を見つける。その日記には、虫に食われたように、不自然に1人の名前が抜け落ちて…

『そして、アリスはいなくなった』

『そして、アリスはいなくなった』 ひずき優 ※当感想記事はネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。 織川制吾さんの『先生、原稿まだですか!』を手に取る際に、同じく集英社オレンジ文庫の新刊として面陳されているのが目に入ったのがきっかけ…

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 12』

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 12』 大森藤ノ ※以下にネタバレを含んでいます。未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ12作目。 いきなりですが、この巻、ものすごく面白くて本当に一気読みでした......。『異端児』編が…

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 11』

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 11』 大森藤ノ ※既刊含め内容に触れている部分があります。ネタバレを避けたい方や未読の方はご注意ください。 「ダンまち」シリーズ11作目。 人語を操るモンスター『異端児』を巡る物語も、今回でよ…

『先生、原稿まだですか! 新米編集者、ベストセラーを作る』

『先生、原稿まだですか! 新米編集者、ベストセラーを作る』 織川制吾 以前に今作と同じく集英社オレンジ文庫から刊行されている織川制吾さんの『ストロベリアル・デリバリー』心撃ち抜かれ、今度は本にまつわる物語が刊行されるということで、これは読まね…

『天使は奇跡を希う』

『天使は奇跡を希う』 七月隆文 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』で著名の七月隆文さんの作品。 表紙イラストを担当されているのは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『君の名は。』のキャラクターデザインなどを手がけている田中将賀さ…

『アンデッドガール・マーダーファルス 2』

『アンデッドガール・マーダーファルス 2』 青崎有吾 講談社タイガより刊行されている、シリーズ2作目。 青崎有吾さんと言えば、『体育館の殺人』に始まるミステリシリーズも評判ですが(まだ読めてない......)、今回は完全にバトルものだよ、これは! あ…

『少年Nのいない世界 02』

『少年Nのいない世界 02』 石川宏千花 講談社YAにて刊行されている『少年Nの長い長い旅』と連なる「少年N」シリーズ。 「長い旅」では異世界に飛ばされた野依を主人公とした冒険活劇として描かれているのに対し、その5年後を描いた「いない世界」シリーズで…

『人魚姫 探偵グリムの手稿』

『人魚姫 探偵グリムの手稿』 北山猛邦 北山猛邦さんによる近代ヨーロッパを舞台にした幻想的なミステリ。 タイトルからも分かる通り、魔法や人魚が存在する世界で、主人公のハンス・クリスチャン・アンデルセンは助手役として、王子殺害の真相を探偵役のグ…

『セイジャの式日』

『セイジャの式日』 柴村仁 『プシュケの涙』『ハイドラの告白』に続く、”変人”由良を取り巻く人々を描いた物語――通称由良シリーズ3作目。 ※以下、前作までの内容も踏まえた上で思ったことを書いています。シリーズ未読の方はご注意ください。 今までと同じ…

『ディリュージョン社の提供でお送りします』

『ディリュ―ジョン社の提供でお送りします』 はやみねかおる 私の中ではやみねかおるさんと言えば、やっぱり「名探偵夢水清志郎」シリーズ。 とはいえ、著者の名前は知っているものの、はやみね作品に数多く触れてきたというわけではない私。 そのことを「あ…

『読者と主人公と二人のこれから』

『読者ぼくと主人公かのじょ と二人のこれから』 岬鷺宮 以前に表紙の雰囲気に惹かれて読んだ『失恋探偵の調査ノート』以来の岬鷺宮さんの作品。 失恋探偵の調査ノート ~放課後の探偵と迷える見習い助手~ (メディアワークス文庫) 作者: 岬鷺宮 出版社/メーカ…

『僕らの空は群青色』

『僕らの空は群青色』 砂川雨路 河野裕さんの『いなくなれ、群青』がとてつもなくすきな私。 タイトルに「群青」という単語が入っているという、至極単純な理由で気になっていたところ、Twitterでの他の方の感想を見かけ、今が好機と言わんばかりの勢いで手…

『ハイドラの告白』

『ハイドラの告白』 柴村仁 『プシュケの涙』に続く、シリーズ2作品目。 シリーズと言っても完全な続き物というわけではなく、いわゆる後日談のような形で前作の登場人物のその後をうかがい知ることができるというものでした。 前回の感想はこちら。 shiyun…

『ifの悲劇』

『ifの悲劇』 浦賀和弘 ifの悲劇 (角川文庫) 作者: 浦賀和宏 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2017/04/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 浦賀和弘さんの作品にしてはページ数が少なくさくっと読めそうだったので、気軽にペー…