ゆうべによんだ。

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『少年Nのいない世界 03』

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『少年Nのいない世界 03』 石川宏千花

少年Nのいない世界 03 (講談社タイガ)

 

小学生6年生の頃のある事件をきっかけに、地球とは全く別世界に飛ばされてしまった7人の少年少女たちの5年後を描いた物語。

各々がバラバラな場所に飛ばされたが故にこの5年間の暮らしぶりは人それぞれで、巻を追うごとに彼らの乗り越えてきた困難が明かされてゆく。

右も左も分からない世界に放り出された彼らが、かつての同級生たちとコンタクトを取るべく手を取り合おうとする陰で、半ば強引なやり口で彼らを誘拐しようとする謎の組織が現れる。

また、講談社の児童書レーベルから刊行されている『少年Nの長い長い旅』シリーズと対をなしており、心躍る冒険譚のような「長い旅」と打って変わって、「いない世界」のことごとく非情な現実が打ち付けられるダークな雰囲気につい引き込まれてしまう。

 

 

 

 

※以下、これまでの「長い旅」「いない世界」含め、今巻の内容に触れています。未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

繋がり始めた「長い旅」と「いない世界」

まずひと通り読み終えて思ったのが、それぞれの刊行のタイミングとお話の内容がマッチしていて、純粋に「あ! この前、長い旅で出てきたやつだ!」となるのがうれしい。リアルタイムで新刊を追いかける醍醐味のひとつ。

 

 

注意書きを置いておいたので容赦なくネタバレをしていくけれど、今回トワコが出てきたのには思わずびっくり。

「長い旅」3巻後半で登場したキーパーソンになりそうだと感じていた人が早々「いない世界」にも登場するとは。主人公たち以外で「長い旅」と「いない世界」の間の5年間を繋ぐ初めての主だった人物の登場に、この一連の物語も本格的にエンジンがかかり始めたのかと、とてもわくわくする。

野依がお世話になっていたサットとトワコが旧友であることは、既に語られていた事ですが、サットも野依たちと同じような地球あるいはさらに別の世界から来た可能性が私の中で高まりました。

 

 

そしてやはりトワコから見たかつての野依はどこか危なっかしいらしく、私は「いない世界」で野依くんがどうなってしまったのかがとても気がかりです。どこか落ち着かなくて読みながらひりひりする。

サットやトワコは野依が今どんな状態にあるのか、ということは知っているのだろうか......それだけでもいいから知りたい、藁にも縋るような思い。

 

 

そして「長い旅」3巻とともに主だって登場した人物と言えば、和久田悦史。

「長い旅」3巻であった野依とのひと時の邂逅のことが彼の目線から語られている部分があるのですが、野依くんと分かり合う日は来るのだろうか......。

そして彼が世話になっているという「施設」。

なし崩し的に和久田はその施設に協力する形になっているけれど、施設の人々は何を目論んで地球から来た彼らを誘拐しようとするのだろう。

 

 

底知れぬ「エース」の正体

私が書いた「いない世界」2巻の感想をちらっと覗いたら似たようなことが書いてあったのだけれど、やはり「エース」という少年を信用しきれていない私がいる。

なんでもないイベント会社の社長というには、立ち居振る舞いに謎が多すぎるし、何よりきな臭い程の手回しの早さ。

 

 

そのおかげで今回、音色は彼女を苦しめていた束縛から解放されることになるのですが、あまりにも上手くいきすぎて、そしてあまりにも親身に動いてくれるものだから、裏があるのではないかと勘繰ってしまう。

事情が事情だけに仕方ないとは言え、二葉がエースにべったり依存気味なのも、私の第六感が「これはよろしくないよ!」っていう。どこかで揺り戻しみたいな二葉にとって不幸な出来事が起きなければいいのだけれど。

 

 

そう思うと、エースは腹にとんでもないものを抱えていて、もしかしたら和久田が属する組織の方が本当は二葉たちのことを思いやった上での行動をしている、という可能性もないとは言い切れないのではないか......と疑心暗鬼になって、心休まらない。

 

 

喜び、のち、急転直下

ラニエの呪縛からめでたく解放されることになった音色。

ルンさんと喜び合う姿が本当に眩しい。

 

 

音色と言えば、テラスの月見用のベンチでの波留斗との会話がもうなにかとたまらない。

私の想像の中では、この時の波留斗の目はきっと切なげに揺れていて、それでも音色と野依のことを大事に大事に思っていて......そういう簡単には言い表せない行き場のない思いがぎゅっと詰まった場面、たまらなくすき。

音色も、きっと本人が思っている以上に野依との生活が、彼自身のことがいつまでも心に残っていて、どこか微笑ましくも思う。

......だからお願いだから、野依くんはそんな彼らを悲しませないで欲しいと願わずにはいられない。『少年Nのいない世界』だなんて私の思い違いだよねって。

 

 

そんな解放された喜びもつかの間、音色は和久田の所属している組織に誘拐されるという急転直下で今回のお話は終わる。

そして、誘拐の実行犯はおそらくかつての同級生である文乃。

こうして、今回のお話で野依以外の同級生が誰かしらと邂逅を果たしたわけだけれど、お話が進むにつれ増えるのは謎ばかり。

 

確実に物語は進行しているのに、どこへ向かっているのかまったく予想がつかず息をのむ展開ばかりで本当に人心地つく暇もない。

次のお話が読みたくて読みたくてたまらない。

次巻が刊行されるのはいつ? あといくつ寝ればいい???

 

 

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