ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『少年Nのいない世界 01』

『少年Nのいない世界 01』  石川宏千花

少年Nのいない世界 01 (講談社タイガ)

 

講談社タイガより。

Twitterを見るに随分前に読み終えていたようですが、今後スケールの大きなシリーズになりそうで私なりにブログでまとめておきたいと思って。

 

 

講談社タイガ新潮文庫nexなどなどに代表される新しく作られたレーベルの小説って本当に読みやすくて魅力的なものが多くて、出来るだけ好奇心に素直に従おうと決めているのです。

 

 

 

 

現実世界とはかけ離れた世界に飛ばされてしまった少年少女たちの物語。

言語から惑星系まで、何もかもが地球と違う世界に散り散りに飛ばされてから、各々がなんとか生き抜いていた中、1人の少女のはたらきかけにより、故郷への思いを取り返してゆく。

まず、異世界に飛ばされてそれぞれが違う人生を歩んでいて、そのほとんどが過酷な環境を生き抜いているというのに心が痛む。

飛ばされた当時は皆小学6年生で、いきなり目の前に言葉も何も通じない世界が広がっているというのはどれほど心細いだろう。

搾取するもの、されるものの構図はどこも変わらず、境遇は違えど弱々しい存在であるところの彼らがいいように使われているのを見ると、本当によく今まで生きていた、と手を差し伸べたくなるほど。

自ら記憶を消して生きる者、飼われる小鳥のようにバレエを続ける者、過酷な肉体労働によりすっかり体格が変わった者、安価な労働力として雇われその傍らで身売りする者……。

 

「日本で生きる一般的な小学生」から急にそんな生活を強いられたとしたら、私はきっと生きていけないだろう。

 

そんな中、同じく異世界に飛ばされた魚住二葉のひと声により、かつての仲間たちに希望が差し始める。

今回のお話で実際に魚住二葉が出会うのはほんの一部で、これから先どのように同級生と繋がりができていくのか楽しみ。これからようやく物語が大きく動き始めそう、という予感を大いに残して終わっているので、早く続きが読みたくて読みたくて仕方がないです。

 

 

 

今後に向けて気になることがふたつ。

魚住二葉が何を知っているのか、何を考えているのか。明らかに何か裏がありそうな描写がちらほら。誰かと厳粛なやり取りするような場面もあったり。取り敢えず裏切り者ではないことうを願うばかり……。

 

それから、タイトルにある少年Nこと(おそらく)五島野依がどうして「いない」ことになってしまったのか。

今回このことにはまったく触れられていないので、タイトルの真相が明かされる日を待つばかり。

 

 

 

こちらの前日譚(?)にあたる物語が講談社の別レーベルから単行本として刊行されているので、近いうちにこちらの方も。

少年Nの長い長い旅 01 (YA! ENTERTAINMENT)

少年Nの長い長い旅 01 (YA! ENTERTAINMENT)