ゆうべによんだ。

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『灰と幻想のグリムガル level.4』

『灰と幻想のグリムガル level.4 導き導かれし者たち』  十文字青

灰と幻想のグリムガル level.4 導き導かれし者たち (オーバーラップ文庫)

※前巻含め内容に触れています。ネタバレを避けたい方、未読の方はご注意ください。




灰と幻想のグリムガル、4作目。


兎にも角にも3巻の終わり方が不穏でモグゾーの安否が気になって気になって仕方がなかったです。


そんな急くようにして手に取った4巻の背表紙に書かれたあらすじより抜粋。

「驚かすなって、モグゾー」「ごめん、ごめん」
  モグゾーは、あはは、と笑って頭を掻いた。でも、ものすごい血だ。血まみれで、表情もよくわからない。だけどまあ、なんとか平気そうだ。

そして読み始めて数ページ、上記の文と同じ文書が書かれていて、どこかほっとしました。


よかった、モグゾーは生きて……ない?
あれ?  
生きてないじゃん!  死んでるじゃん!

何この、上げて落とす感じ。
最初だけぬかよろこびさせて置いてすぐに現実が突きつけられるこの感じ。
(きらいじゃないです)




そうしてマナトに続きモグゾーを失ってしまったハルヒロ達パーティの、それぞれのやり方でモグゾーの死を消化していく姿が、とても印象的でそれぞれの人柄が出ていてじっくり読んでしまいました。
特にメリイにとって、パーティメンバーを失うのはこれで2度目。
そして常々思うのだけれど、ランタは口さえ悪くなければ……。

またシホルやユメやランタは、その最中、それぞれ別のパーティに勧誘を受ける。
この作者ならパーティ空中分解もさもありなん、と思っていたのですが、離れずに一緒に活動していくことを決意してくれたようで一安心。


死んでしまったモグゾーの貸金庫には、ちょっとした驚きがモグゾーのことだから預けられているのではないか、と勝手に思っているのですが、今後触れられるかどうかは不明です……。



そうして、空いてしまった前衛の穴にチョコと同じパーティだった聖騎士のクザクを迎え入れ、次のレベルの狩場ワンダーホールへ足を運ぶハルヒロたち。
そこで、ウストレルを相手に3巻での戦い以上に死闘を繰り広げる。
普通の物語なら主人公たちがそう簡単に死ぬことはないでしょうとたかをくくりながら読むのですが、既に数名も前例があるのでハルヒロたちや敵の一挙手一投足にどきどきしてしまう。
誰かが怪我を負えば、きっと本人たち以上に切実に、早く治してあげて!  と、思っている自分がいます。


それでも犠牲なく倒しきり、自信をつけるハルヒロたち。
ハルヒロ自信が前向きになるのは、なんだか珍しい気がします。
末端の末端ではありますが、ソウマたちの暁連隊への仲間入りを果たし、ハルヒロたちの力がどこまで伸びていくのかちょっぴり楽しみ。


巻を追うごとに、始めゴブリン1匹に苦戦していた頃のハルヒロたちを思い出し、なんだか懐かしく感じてしまいます。