灰と幻想のグリムガル、2作目。
お調子者のランタの掘り下げと、メリイの過去のパーティーメンバーの弔い合戦。
余談ですが、本編に入る前のキャラクター紹介のページでマナトについて「パーティのまとめ役だった。いいやつだった。(過去形)」とあっさりと書かれていて、不覚にも笑ってしまいました。
ゴブリン狩りにすっかり慣れたハルヒロたちは、新たな狩場としてサイリン鉱山を目指します。
すっかりメリイもパーティーに馴染んだところなのに、ランタとハルヒロの間で小さな諍いが。
ランタの「空気の読まない」振る舞いが、リーダーとしてのハルヒロは気に入らない様子。
そんな宙ぶらりんのままサイリン鉱山で狩りを続けていくうちに、メリイにとって仇でもある巨大なコボルドが現れ、あまりの強さに逃走を図るもランタひとりはぐれてしまう。
マナトのように死んでしまうのではないかとひやひやしたのですが、無事に脱出できたようで良かったです。
ランタの視点で描かれる章があり、ランタが普段あのような態度を取ってしまう理由や、他のメンバーに対する思いが語られます。
やはり、ランタはとても繊細で不器用。
憎まれ口を叩いてしまうのも、身の丈に合わないほどの大きな発言をしてしまうのも、そうすることでしか他人との距離を測れないから。
不満を買いながらもどのように態度を変えるべきかわからない仲間思いのいいやつ。
いつかランタが手放しで懐に飛び込めるような日が来るのかな、とも思いますが想像してみたらそれはそれでなんだか居座りが悪いので、ランタの言動の裏側を誰かパーティーメンバーが気付いてあげられたらよいな、と思います。
……とはいえ、メンバーと再会した際のランタの涙と強がりで、だいぶメッキ剥げかけのような気もしますが(笑)
一方でハルヒロの自己評価が次第に下がっていっているのが非常に気掛かりです。
こうするしかなかったんだ。誰かに死んでくれなんて、言えなかった。それくらいなら、自分が死んだほうがマシだって思っちゃったんだ。なんて。
仲間と比べ自分は取るに足らないとでも思っているようで。