『アンデッドガール・マーダーファルス 1』 青崎有吾
『体育館の殺人』を読みたいと常々思いながらもなかなか読めていない平成のクイーンこと、青崎有吾さんの講談社タイガ作品。
既に漫画化も決定しているということですが、この作品すごく漫画映えしそうです。
物語や伝記上にしか存在しない生き物が実在する世界にて起こる殺人事件を解決していく物語。
もちろん探偵自身も「ただの人」ではない。
序盤から精螻蛄(しょうけら)やノスフェラトゥの文字が出てきて、とてもわくわくしました。
『ようするに、怪異ではない。』や『さみしがりやのロリフェラトゥ』で見たやつ!
そんな風に他の作品でも見たような、他の作品でも扱われるようなテーマの全てを詰め込んだ世界観で、「本当にここではない物語の世界」に溺れそう。
おまけに、シャーロックホームズやアルセーヌルパンすら存在する世界。
講談社タイガ作品はシリーズ前提ということで、こんな夢のような世界の物語が当面は続くことがすごく嬉しい。
今回の事件は、吸血鬼と人造人間にまつわる事件。
特に吸血鬼の事件、変わり種ミステリとしてもすごく楽しめました。
驚異的な回復力を持つ怪異の王たる吸血鬼を殺した犯人とその方法は。
これがもう、普通の殺人事件と違って、吸血鬼だからこそ可能なこともあれば不可能なこともある。
被害者が元々人間であった吸血鬼夫人ということもあって、犯人候補のアリバイしっかりしてるし、驚異的な回復力持つ吸血鬼が死んじゃったんだし、これは自殺だな……! と内心後でどや顔しようと思っていたら見事にちゃんとした殺人事件でした(笑)
(ホムンクルスではなくフランケンシュタイン的な)人造人間の方も、首なし遺体の首の行方と犯人、ということで思わず結果になるほど、と頷いてしまう。
……これ、将来的にホムンクルスも出てきて今回のフランケンシュタインと闘うことになったらめちゃくちゃ熱い展開なのでは⁉︎ という妄想を閃いたので、一応ここに記しておく。
というか、初夏に発売予定の次巻!
あらすじを見る限り早速ホームズとルパンが登場しそうで、ときめきが止まらない。
さっきのホムンクルスとフランケンシュタインの件もそうではあるけれど、今後の展開につあていろいろと想像を始めてしまうと楽しみすぎて夜も眠れないです。