『生徒会の一存』シリーズと同じ方の作品だとは知らずに、表紙と作品名が気になっていた今作品。
よく行く書店では、平積み展開されている作品がシリーズ発売日に合わせてくるくると変わるのですが、毎度毎度どんな作品が平積みされているのか眺めるの、楽しみだったりします。
そんな中、2巻の帯の一節が目に入り、なるほどね、と思った頃には財布に手が……。
『好きな人が異性とゲームしてたら、少しだけしょんぼりするかもです』
なになにそれどういうこと、ちょっと詳しく聞かせて!
……私、ちょろい。
自身の日常が絶望的なまでに平凡であるが故に、小説等の平凡を愛する主人公を唾棄する雨野景太。
とはいえ、景太くん、めちゃくちゃいい子なんですけどね……。
もちろん小説の主人公の日常が平凡なんかで終わるわけがなく、表紙イラストの学校の高嶺の花、天道花憐にゲーム部に誘われるところから、急速に平凡な日常から乖離していきます。
確かにゲームの遊び方楽しみ方等々から始まるお話だったのですが、登場人物たちのぽんこつ恋愛模様がとても面白かった……。
自身の置かれた状況には、スーパー鈍いのに他人の関係にはどや顔で察して介入していく感じ。ちなみにそれが事態をややこしくしているとも知らずに……。
全ての状況を把握している読者である私から見ると、あまりにも滑稽で。
もうこの先どんな風に拗らせていくのか楽しみでしょうがないです。
景太くんと星ノ守さんの口論の場面の、もう君たち結婚しちゃいなよ感、すさまじ。
その点に関しては祐の意見に諸手を挙げて賛成です。
2人の完成された夫婦漫才っぷり、すさまじ。
私自身もぽつぽつと嗜むほどにゲームをするのですが、割とすぐに飽きてしまうんですよね(笑)
いわゆるやり込み要素は、よっぽどのことでなければ手を出さないです……。
それどころかRPGでは7,8割ほどストーリーを進めてから、急に放り出してしまうこともしばしば……。
多分、こつこつとわかりやすく成長していく過程が好きなのかな……。
それでもゲームが苦手、というわけではなくて、私の中ではそこそこのゲーム好き、のつもりです。
それこそ新しいゲームを手に取る瞬間ってすごくわくわくします。
だから今作で景太が語るゲームの楽しさに共感できる部分も結構あって、思わず読みながら頷きたくなってしまいました。
“ゲーム”を主題にしたお話ではあるのですが、何よりぽんこつどたばた多角ラブコメの行方が気になる……。
君たちどうするつもりなの、それ……。