ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『たとえばラブとカミサマーデイズ。』

『たとえばラブとカミサマーデイズ。』  ハセガワケイスケ

 

たとえばラブとカミサマーデイズ。 (電撃文庫)

 

ころころと転がしたくなるタイトル。
流れ星の夜に消えていなくなってしまった少女が、10年後の夏に神さまになって帰ってくるお話、カミサマーデイズ
 
おはなしも、表紙の女の子を中心にポップでどこか奇妙にころころと進んでいきます。
 
……「サマーデイズ」という響き、しばらく私の中で流行りそうです。
 
 
※内容に触れています。ネタバレを避けたい方、未読の方はご注意ください。
 
 
 
 
 
初めて読む著者さんの作品だったのですが、2人の登場人物の視点から交互に語られるうちに淡々とあれよあれよと、気付けばとてつもないことになっている。
 
 
神さまになった少女が目からビームを放ったと思えば、主人公の少年はワンダーセカイブレイカーFXなるロボに乗り、世界を壊そうとする。
 
 
 
 
そんなハチャメチャなあれやこれやもすべて、神さまとなったコハルコによるものなのですが、わがままと一括されてしまいそうな彼女のあまのじゃくめいた感情に少し共感できる部分もあったり。
 
周りの誰からも愛されて、誰からも一目置かれて。
 
きっと、そのことはすごく嬉しいのだけれど、時々そんなことばも何もかも放ってしまいたくなると思うのです。
他人からのことばを裏切りたくなくて、いつの間にか自分の考えと他人からの期待、どっちかわからなくなってしまう。
 
 
笑顔でいなくちゃと、ひとりになりたいと思ったコハルコはこんな気分だったのかなとふわっと考える。
 
自分自身でさえ本当の自分なんてわからないのに、ありふれたことばなんかではなくそれこそ世界を変えるような劇的なことばであやふやな私の輪郭を形取ってほしい。
たとえそれが、痛みを伴うものでも、数歩離れたところから誉めそやすのではなく、内側に踏み込んでほしい。
みたいな。
 
 
 
もしかしたらここまで、ぐるっとした感情でもないのかもしれませんが(笑)
 
 
 
 
小説のおはなしなのだから、現実と照らし合わせても仕方ない部分もあるのかもしれないのですが、10年前に姿を消した初恋の相手が急にけろっと帰ってきたらどんな風になるだろうと考えると、ちょっぴりわくわくします。
 
わくわくできるのは、きっと今回読んだ小説の雰囲気によるものが大きいです。
 
 
 
自分の幼い頃と取り留めのない空想にふける、そんなサマーデイズ
(決まった!)