ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 3』

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 3』  渡航

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)

※内容に触れています。ネタバレを避けたい方、未読の方はご注意ください。


シリーズ3作品目。
本編+ドラマCDの脚本書き起こし。

主に2巻での由比ヶ浜さんとのすれ違い解消が中心でした。

雪ノ下さんと八幡で一緒に由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買いに行くことに。
今回、雪ノ下姉、春乃さん初登場ですね。
なんていうかゆきのんと対称的で、いかにもくわせものって感じ。

小説だから、というか、なんというか、この小説って基本的にひねくれた人ばっかりですよね。
いや、基本的にヒッキーのひねくれメガネを通して語られるから余計にそう思えてしまうのかも。
大体、何か腹に一物抱えてる人ばかり。

そのひた隠しにするものが正の感情から来るものなのか、負の感情から来るものなのかは、それこそばらばらなのだけれど、誰もが腹の中を打ち明けることなくひた隠しにするものだからいろいろと捩れてしまう。



後半に材木座からの依頼で遊戯部の人たちと脱衣大富豪をするお話があるのですが、多分、このお話はアニメ化されてないですよね?(うろ覚えなので、もし、されていたら、ごめんなさい)

主軸は不器用な人間関係ながら表向きはコミカルで明るい話で進んでいくアンバランスさがまた。あくまでも、表向きは。
当事者以外のあずかり知らぬ表面下でそれぞれあれこれ思い巡らせている感じ、息が詰まりそうな感じ、たまらないです。
そのこんがらがってしまったものが解消された時の爽快感ももちろん含めて。



最後に本編とは別に加えられた、ぼーなすとらっく!  は、3巻の内容そのままにみんなで由比ヶ浜さんの誕生日を祝うというものでした。
この話で、ガハマさんのあだ名が誕生した、ということでいいのかな、
ぼーなすとらっく!  は明るく和気藹々とした内容でした。



ぼーなすとらっく!  “は”。



本編の最後数行。
俺と由比ヶ浜が座っていた席と、雪ノ下のいた場所との間は僅か二メートル足らず。なぜか、ふと、その距離は越え難く、見えない線が引かれているように感じた。
俺たちと彼女とを明確に分けるもの、その事実に、あるいは真実に気づくのはもう少し先のことだ。

せっかくひとつ、絡まったものが解けたのに、最後の最後で冷水を浴びせるような文章。
雪ノ下さんの家庭事情がややこしそうだ、というのはなんとなく匂わせていたけれど、そのことを言っているのかどうか、すごく気になる。
というか、文庫冒頭で不穏な空気を匂わせるのは、大体その本の中で一区切りするから良いのだけれど、最後に匂わせるのは、なんていうか、ずるい。


(特に影響された訳ではないけれど、「ーーなのだけれど」と無意識に使う度に、あれ、口癖うつったかな、と思ってしまう)