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ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『希土類少女』

感想 青柳碧人 講談社文庫

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『希土類少女(レアアースガール)』  青柳碧人

 

希土類少女 (講談社文庫)

※結末について明記は避けているものの、普通に感想書き連ねているので未読の方はご注意ください。

 

『浜村渚の計算ノート』シリーズで有名な青柳碧人さんの作品。

(積んである「浜村渚」シリーズも読まなくちゃ……。)

 

 

 

タイトルからも分かる通り、レアメタルを生成する能力を持つ少女、というSF設定に惹かれて読んでみました。

 

 

舞台設定は、現代よりも科学技術の発達した少し先の未来の日本。

レアメタルの獲得に難儀していたところ、突如自身の身体からレアメタルを生やす少女が現れ始める、レアメタル生成症候群。

 

この症状は少女期に突如現れ始め、少女達は国によって手厚く保護される。

限られた敷地内で過ごすことを余儀なくされるものの、それ以外は娯楽やレジャー含め不自由なく過ごすことができるようになっている。

 

ただし、少女達は25歳までしか生きられない。

その短過ぎる寿命に各々が折り合いをつけ、なんとか前向きに生き抜こうとする。

 

 

 

 

 

化学方面にあんまり明るくないんですが、それでもレアメタルが貴重で科学技術や経済を支えていく上で重要であるということはなんとなく知っている程度には(笑)

 

少女の耳の裏や内腿や背中から、プラチナやジスプロシウムやネオジムやらが自然に出てくるのですが、これらの金属についても詳しい説明がされている一節もあるので、詳しい方は殊更わくわくしながら読めるのかな、と。

 

 

物語の主要人物は、保護対象である少女の冴矢と少女保護施設の職員である江波。

物語の前半は冴矢を中心に少女たちの生活が描かれていて、冴矢と江波は、在り来たりと言えば在り来たりですが、次第に心を通わしていきます。

冴矢の弟を救いたい、という願いに応じ江波はそれが規則を破ることになると知りながらもなんとか願いを叶えようとする。

 

 

結末についてはネタバレになってしまうので明記するのは避けますが、人によってはハッピーエンド、バッドエンドそれぞれに感じると思います。

 

ちなみに私はバッドエンド派です。

確かに希望が一切ない、という終わり方ではないですけれど。

 

当人が望んだ結末とはいえ、もっとなんとかしてあげたいと思ってしまう。

ただ他人である私から見たら、そう思うだけで、もし私が当事者であったのであれば、どっちを選んだかな……と、ふと。

 

 

 

もう1人、居なくてはならない登場人物として若手官僚の高松がいるんですが、非常にいいキャラクターしてますよね!

最初から最後までしっかりと前を見据えていて、結末に希望を見出せるのもすべては彼の働きかけによるものが大きいと思います。

 

願いに対して感情的に動いた江波と未来を見据えて計算高く動いた高松はどこか対照的だったなー、と今にして思います。

 

結末ばかりに目が行きがちだけれど、前半に描かれている少女たちの生きて行く様子も、他人として見るのではなく、あくまでも当事者になったつもりで、私だったらどうなっていたのかな、と考えてみる。

最初から産まれた時から閉鎖的な環境にいたのであれば、多分生きていけたかもしれないけれど、10代半ば近くまで普通に生きていた中、急にどこか強いられるような生活になってしまったら耐えられない、かも。

保護された生活が幸せであれ不幸であれ、外の世界の、なんでもない普通の日常を知っている以上、きっと平凡で在り来たりな日常を渇望してしまうと思う。

 

 

 

それから、思いがけず文庫解説が紅玉いづきさんだったのが個人的に嬉しかったです。

すべての作品を読んだわけではないですが、『ミミズクと夜の王』すごくいいお話なので是非!

 

 

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