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ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

『さびしがりやのロリフェラトゥ』

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『さびしがりやのロリフェラトゥ』  さがら総

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)

※完全なネタバレには注意していますが、作品の内容には少し触れているので未読の方はご注意ください。

 

変態王子と笑わない猫。』のさがら総さんと『キノの旅』シリーズ等のイラストを担当している黒星紅白さんのタッグ。

 

 

 

タイトルにある「ロリフェラトゥ」とは、ひとりぼっちの(ロンリー)吸血鬼(ノスフェラトゥ)、ロンリーノスフェラトゥ

それを言いやすく縮めたものが「ロリフェラトゥ」。

らしいです。あくまでも。

 

 

 

変態王子と笑わない猫。』について原作は読んだことないけれど、アニメ放送で名前を知っていたことと黒星紅白さんのイラストが好きだということもあって、どんなお話かまったく想像つかなかったけれど、気になるまま読まないのももったいないので、思い切って手に取りました。

 

 

あとがきに書いてあるのですが、主観の変化による物事の見え方の変化をテーマにしているようで、今作は4人の異なる人物によって語られて行きます。

 

伏線を回収するというより情報が次々と明らかにされていく、という形で、語り手が変わる度に物語がどんどん広がっていく感じがとてもわくわくしました。

 

1人目の語り手は、小説家の女の子。

物語と現実との折り合いを付けるのが不器用で、閉塞感めいたものを感じていたところに、旧校舎で大人の吸血鬼と出会う。

 

 

2人目の語り手は、幼い吸血鬼の子。

表紙のイラストの子ですね。

健気で素直な性格ながらも、ひとりぼっち。姉との思い出を胸にひっそりと1人寂しく生きている。

 

 

 3人目はクラス内で高いヒエラルキーに位置している女の子。

ふとした拍子に、非日常に巻き込まれてしまう。それでも、ただ自分の目に見えるものを信じようとする。

 

 

4人目は自分の正義を貫こうとする男の子。

正義のためなら力を振るう。

ただ、彼にとっての正義が必ずしも他人にとっての正義であるはずもなく。

 

 

 

微笑ましい場面やほっこりするような場面もあるのですが、物語の結末としてはどこかしんみりとした静かな終わり方。

最後を締めくくる「いつか、どこかで」という2ページの文章があるのですが、登場人物名は××××と伏せられています。

あくまでも、個人的な考えなのですが、きっとこの部分には、考えうる物語の登場人物すべての名前が入ると思うのです。

それを救いと呼んでいいものなのか分からないけれど、そうあって欲しいという私の希望もちょっぴり加味して。

 

 

同じものを見つめていても、立場によっては見方がくるりと変わる。

目に見えるものだけでなく、人と人との関係性や行動にも自分の見たいものを見出そうとするからこそ、ほんの少しの心の持ちようの違いが感受性の大きな差を生むのかな、と思いました。

 

よく考えてみれば、なんだってそうですよね。

例えば、雨が嫌いな人もいれば、雨が好きな人もいる。

嫌いな人にも好きな人にもそれぞれ理由があって、きっとその理由はその人たちの過去の経験だったり心象だったりに基づいているはずだと思うのです。

 

 

 

それからお話の内容からは少しそれますが、黒星紅白さんのイラスト、挿画も大変美味しくいただきました。

私にとっては『キノの旅』シリーズよりもゲームのサモンナイトシリーズのキャラクターデザインの印象が強いです。

うまく言い表せないんですけれど、どのキャラクターもなんていうか柔和でつるっとした愛らしさがありますよね。

 

そういえば、画集発売したんでしたっけ......。

もう少しお金に余裕ができたら手元に置いておきたいな......。

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