『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』 大森藤ノ
アニメ放送開始に伴い、界隈でヘスティア様のイラストをよく見かけるようになり、前々から気になっていたので思い切って購入。
表紙の左側に描かれている女の子がヘスティアなのですが、童顔に不釣り合いなほどの優れたプロポーションのせいか、衣装の特徴的な青い紐のせいか、それとも両方兼ね備えているせいか、2015年4月現在Twitter等で見かけない日はないくらい。
前々から気になっていた、というのはイラストを担当しているヤスダスズヒトさん自身がお話を考え描いている『夜桜四重奏』という漫画がすごく好きで。
小説や漫画以外にも、ゲームのキャラクターデザインとかを担当されることもあって、少し前に発売されたアトラスの「デビルサバイバー2 ブレイクレコード」とかもヤスダスズヒトさんに惹かれて購入しました。
そこからヤスダスズヒトさんがイラストを担当しているものを気にかけるようになって(『デュラララ!!』とかもすごく人気ですよね)、普段書店に通う中でこの作品のイラストを担当を知っていたのですが、今まで手を出す勇気がなくて。
既刊数が多くてジャンルも広々で、手を出したらただでさえ不足しがちなお金と時間がとんでもないことになる、という理由でいわゆる「ライトノベル」に手を出すことに対して消極的だったのですが、やはり面白そうなものがあるのに踏み出さない、というのはなんだかもったいないような気がして。
(こうして積読本が増えてゆくのだけれど)
やっぱりというかもちろんというかお話はすごく面白くて、嬉しい悲鳴を上げているのですが。
最初に名前を出した、白い服を着た女の子ヘスティアは神様の1人。
ヘスティア含む日常に飽き飽きした大勢の神様は、まるでシュミレーションゲームを楽しむかのように下界での生活に身を投じる。
神様の万能の力を自ら封じ、人間だけでなくエルフや獣人などの下界の住人の力を引き出す能力をもとにそれぞれのファミリアを形成する。
(ゲームチックに言うと住人をレベルアップさせる能力)
迷宮探索に精を出すファミリアもあれば、サポート用の薬を作り出すことが専門のファミリアや冒険者の武器や防具を作り出す鍛冶屋のファミリアも存在し、どのファミリアもそれぞれの神様の意向に沿ったファミリアを構成している。
表紙の右側に描かれている主人公のベルはヘスティアのファミリアの唯一の構成員であり、育ての親である祖父の影響を大きく受け、ひよっこ冒険者でありながらもダンジョンである迷宮を探索する中で素敵な女性との出会いがあることを期待している。
しかしひよっこ冒険者であるベルは女性のハートを射止めるどころか、ヘスティアと自分自身の生活を維持していくだけで精一杯。
そんな中、自身の力の強さや足の速さが思いの丈の影響を強く受けて成長するという特別なスキルを得たベルの能力だけでなく冒険者として1人の人としての成長を巡る話。
そのほかにも細かい設定等いろいろあって書ききれないほどなんですけれど、それこそまさにゲームの中の世界みたいなお話ですごく読んでいてわくわくします。
最初は何かとへちょいベルくんなんですが、めきめきと成長していく中でもなんというか田舎少年っぽい純朴さはそのままで、決して楽とは言えない生活をヘスティアと共にしてきただけあって2人の絆は強く、やりとりや関係性がなんだかすごくかわいらしくて。
何より2人の家族的なつながりがすごくいい……。
他の女性に対する熱意を糧にめきめきと成長していくベルくんを見て、へそを曲げてしまうくらいまっすぐにベルくんに好意を抱いているヘスティア様もかわいい……。
多分お話の流れや雰囲気的にこれからベルくんは無自覚に多くの女の子をひっかけていきそうなのだけれど、どうか鼻にかけずそのままのベルくんでいて欲しい……。
それから登場人物の役職やキャラクターは本当に多種多様で、酒場を取り仕切る女性キャラが出てきたときは、これだよ、これ! なんかそれっぽい! ラピュタに出てくるドーラっぽい! と勝手に盛り上がりました。
また神様同士のやりとりが行われる場面も何度かあって、この先どこかのファミリアと敵対だったり協力したりする展開になったらそれはそれですごく楽しそう! と今から続きにすごく期待しています。
アニメの方も観てみようかな……。
多分、ベルくんの前で満面の笑みを浮かべるヘスティア様はきっと、すごくかわいいと思うのです。
【「ダンまち」シリーズの感想はこちら。】
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