ゆうべによんだ。

だれかに読んだ本のことをきいてもらいたくて。

講談社文庫

『烏丸ルヴォワール』

『烏丸ルヴォワール』 円居挽 『丸太町ルヴォワール』に次ぐ、ルヴォワールシリーズ2作目。 言葉を以って論理を闘わせる私的裁判、双龍会の濃密さはもちろん、前作から引き続き登場する人物たちの人となりが掘り下げられる今作。 まずは言いたい。瓶賀流が…

『丸太町ルヴォワール』

『丸太町ルヴォワール』 円居挽 あらすじ 古来より京都にて行われる私的裁判、双龍会(そうりょうえ)。 御曹司、城坂論語にかけられた祖父殺しの嫌疑を巡って、鮮やかな舌戦の火蓋が切られる。 状況的に不利な立場の弁護側の望みは、坂口論語が証言する「ル…

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』 西尾維新 随分前にネット上のやり取りで「戯言シリーズ読んだことないなんて羨ましい!」と言われたこともあって、ずっとずっと気になっていた西尾維新さんの戯言シリーズ。 こう、目の前にどん、とシリーズ作…

『プールの底に眠る』

『プールの底に眠る』 白河三兎 自身を取り巻く状況や心の持ちようはいつだって同じじゃないし、その時々によって大好きな小説は変わりゆくものだけれど、「今好きな小説は何?」と訊かれたならば間違いなく3本の指に入るこの作品、『プールの底に眠る』。 …

『虚構推理』

『虚構推理』 城平京 私にとって、『雨の日も神様と相撲を』に次いで2作品目の城平京作品。 shiyunn.hatenablog.com 『虚構推理』はコミカライズもされていて、新刊が出る度に書店に並ぶのを見かけていたので小説を読んでみようと思い立って。 怪異や妖怪が…

『島はぼくらと』

『島はぼくらと』 辻村深月 久しぶりに読んだような気がします、辻村深月さんの作品。 私が読書が好きだ、と自覚し始めた頃にざくざくと読んでいたので、きっと「懐かしい」の意味合いを多分に含む「久しぶり」、です。 前回読んだ時からどれだけ実際に時間…

『愛の夢とか』

『愛の夢とか』 川上未映子 私にとって以前に『すべて真夜中の恋人たち』を読んで以来になる、川上未映子さんの短編集。 静かで孤独でどこか内向的な雰囲気が印象に残る7篇の小説。 何気ない日常の中の「冴えなさ」が織り込まれていて、ふとその文章を指で撫…

『三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン』

『三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン』 柴崎竜人 インターネット上や書店で見かけ、気になっていた1冊。バーカウンターを兼ね備えた小さなプラネタリウムが舞台の物語。そんな三軒茶屋星座館を営む和馬のもとに弟の創馬が10年ぶりに小学生の娘の月子を連れてふ…

『踊る人形』

『踊る人形』 森川智喜 名探偵、三途川理シリーズの3作目。 このシリーズお気に入りのひとつで、今月の文庫化に続き、来月には講談社タイガから最新作が出るということでわくわくが止まらないです。 書店のPOPには「ひねくれミステリ」と書かれていて、ふふ…

『海の見える街』

『海の見える街』 畑野智美 『国道沿いのファミレス』、『夏のバスプール』(『夏のバスプール』 - ゆうべによんだ。)に続いて畑野さんの文庫化作品3作品目。 「海の見える街」ということばをみると、ジブリ映画の『魔女の宅急便』でのBGMがふいに頭で流れ…

『すべて真夜中の恋人たち』

『すべて真夜中の恋人たち』 川上未映子 川上未映子さんの作品を手に取るのは今回が初めてになります。書店にて平積みされているのを見かけて、気になったので。いきなり話は逸れますが、川上未映子さんのエッセイの『魔法飛行』(文庫版)の表紙、めちゃくち…

『美都で恋めぐり』

『美都で恋めぐり』 北夏輝今回は北夏輝さんのこちらの本。以前、『恋都の狐さん』が文庫化された時に読んだので、今作で2作品目になります。タイトルを見て分かる通り、どちらも恋愛小説なのですがべたべたな恋愛もの、というよりはお話のスパイスとして恋…

『希土類少女』

『希土類少女(レアアースガール)』 青柳碧人 ※結末について明記は避けているものの、普通に感想書き連ねているので未読の方はご注意ください。 『浜村渚の計算ノート』シリーズで有名な青柳碧人さんの作品。 (積んである「浜村渚」シリーズも読まなくちゃ………

『PK』

『PK』 伊坂幸太郎 「PK」と聞いたとき、何を最初に思い浮かべますか。 サッカーのペナルティキック(Penalty Kick)。 キッカーとゴールキーパーが一対一の状態で行われるフリーキックの一種。 あるいは超能力(サイコキネシス、PsychoKinesis)。 キャラク…